柿の種中毒治療日記

Kobe→Manila→Guangzhou & Hong Kong→Seoul→Yokohama

三度目の殺人

 
機内にて是枝監督の『三度目の殺人』を見た。何が真実なのか・誰が本当のことをいっているのか全くわからないもやもやっぷり。それがとてもいい。『だれが本当のところ被害者を殺したのか』という問いに対して、動かしがたい真実というのはもちろんある。でもそれを人々が語り始めた瞬間に真実はぼやけていく。なにも物理的な証拠がない中で、相手を信じることができるのか、できないのか?ということに還元していく。
殺人事件の弁護という極端な例に限った話ではなく、いろいろなものごとが同じような構造を持っているような気がする。

かっ飛ばせ!横浜!

 

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木曜日。普段より早起きし、普段より遥かに集中して1日の仕事をこなす。すごい充実感。

それもこれも理由があって、今日は横浜球場にて横浜ー西武戦。横浜転入者向けの横浜戦ご招待というイベントで、チケットをもらったのだ。最後に行った東京ドームでの巨人阪神戦以来、十数年ぶりのプロ野球観戦。

屋外の球場ならではの開放感。輝くカクテルライト。普段出さない大きな声。溌剌としたビールの売り子たち。娘と息子もメガホンを持ってニコニコ。

試合の方は西武の大量リード。ところが七回裏、劇的なソト選手の満塁ホームランが飛び出した。スタンドは熱狂の渦。僕たちも家族全員大興奮。知らない人たちの気持ちが一つになって、近くにいた若者たちとハイタッチ。

残念ながら試合の方は9対7で負けてしまったけれども、あの興奮の余韻が今も残る。テレビでやっていてもあまり興味がなかったけれど、球場でみる試合は格別だ。ここで暮らし始めてまだ一年経っていないけれど、なんだか横浜の一員になれた気がした木曜日の夜。

いつか見た景色

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週末行った新江ノ島水族館。そこから少し足を伸ばして江ノ島で食べたシラス丼。生のシラスなんて初めて食べた。娘は釜揚げシラス丼。ふだん食が細めの娘なのだけれども、これは箸がどんどん進む。

そのあとふたりで江ノ島の海岸沿いを歩きながら、なんだか懐かしい気持ちになった。家に帰って写真を見ていても、やっぱり同じような懐かしい気持ち。誰かと一緒に車でここを走った気がするな。あれは多分十数年前。きっと結婚したばかりの頃だったろうと思い、妻に聞いてみても記憶にないという。じゃああれは誰だったのだろう。それともあれは実は江ノ島ではなく須磨海岸だったか。それとも映画か何かで見た光景が自分の記憶と入り混じっているのだろうか?

そんなことを話していたら、鎌倉のどこかの洋館の、広い芝生の前庭の景色がふと蘇ってきた。そういえば鳶に注意しなきゃねなんて言っていた。妻もそれを覚えていて、ようやく自分の記憶が焦点を結んだ。やっぱり妻と二人で鎌倉にあそびにいってその帰りに江ノ島の海岸沿いを走ったんだった。あれから十数年。今度は娘と手をつないであの海岸を歩いている。

怒り

吉田修一さんの『怒り』を読了。ぐいぐい引き込まれて、二晩かけて読み切った。吉田修一さんの本では『横道世之介』がなんといっても好きなのだけれども、こういう話もたまにはいい。こんな事件には巻き込まれたくないし、家族が巻き込まれるのも絶対に嫌だけれども。映画も見てみよう。

怒り(上) (中公文庫)

怒り(上) (中公文庫)

怒り(下) (中公文庫)

怒り(下) (中公文庫)