柿の種中毒治療日記

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ゴールとストラテジー

戦略とはという定義にはさまざまあるけど、僕が気に入っている定義は『ゴールと現状のギャップを認識した上で、そのギャップを埋めるための打ち手』というものだ。この定義だと戦略立案には

  1. ゴールを明確にし、
  2. 現状分析に基いてゴールと現状の間にある差(いいかえれば問題点)を発見し、
  3. その問題を解決するためのプラン・オプションを練り、
  4. 通常複数出てくる異なるオプションのValueとRiskの定量化
  5. 最後にそれに基づく意思決定と実行

という5つのプロセスが必要。

このフェイズ全てでプロジェクトファイナンス*1が重要って勘違いしがちだけど、そこは注意しなきゃいけないと思う。4)で出てくるプロジェクトのValueというのは3)の打ち手・戦略の結果でしかない。言い換えるとFinancialって定量化のツールであってFinancialそのものが戦略自体には成り得ない。*2
そこを勘違いすると、Financial requirementを満たすためにうまく行きそうにない戦略を取らざるを得ず、実際やってみたらうまく行かなかった、なんてトンチンカンなことになっちゃう。そもそもそんな戦略じゃFinancial requirementを達成できないんだってば。というか世の中にFinancial drivenではない企業の意思決定ってどれくらいある(べきな)んだろう?ロングタームで見れば基本的には全ての意思決定は長期的な会社の成長およびリターンを最大化すべきだから、全ての意思決定はFinancial Drivenだって言ってしまって問題ない気がするけど。

*1:ここでは資金調達などのBSサイドのことではなく、損益分岐点分析やValuationのこと

*2:BSの世界ならともかく、PLの世界で財務戦略なんてそもそも存在するのかね。