柿の種中毒治療日記

Kobe→Manila→Guangzhou & Hong Kong→Seoul→Yokohama

そ、草々兄さん

ちりとてちんも後一ヶ月。寂しい限りだ。とはいっても日曜日に朝ドラはないので夫婦二人で電車に乗って堺筋本町へ。こちらに引っ越してきてからも大阪って未知のエリアだらけ、こんなことでもなかったらくる機会もなかったやもしれぬ。そんななか地下鉄の駅を気持ちも軽く駆け上がってスーツをとりにいってきた。どんな風にできあがってるんだろう?お店に入って、早速試着。ん、んんん?なんかどこかで見た感じだなあ。
ってあれ、なんだか草々兄さんのようではないか!黒地に白のストライプの生地を選んだんだけど、なんか思った以上にストライプが目立つ気がする。でもここでそんな表情は見せられない、せいいっぱいにっこり笑って振り向いてみた。ところがどっこい彼女の顔も凍り付いている感じ。いかがですか、と聞かれて『あ、はい、ぴ、ぴったりです』と答えるけれどそこでも彼女はフリーズ中。目が泳いで、アワアワしていたとは彼女が後で語ったところ。確かに仕立てはぴったり体に合っているんだよ。
店員さんに見送られる中、不自然なくらいにバタバタと店を出て、二人で顔を見合わせた。で、二人声を合わせて『草々兄さんみたい』ということでやっぱり同じところに落ち着いた。あらまあ、やっぱりスーツ作りって難しいんだね。前回10cm角の布地を見ただけで選んだんだけど、やっぱりそれでは雰囲気がわかんないんだなー。こうやって失敗しながら学んでいくんだよ、と早くも学習モードに切り替えようとする。彼女は卒倒しそうになっていたらしい。
その後梅田に戻って昼食を。頭がくらくらして突如空腹感に襲われてたので、ここでなんとか気持ちを切り替えた。二人でちらちらスーツバッグの中を見ながら、家に帰ってちゃんとしたシャツを着てネクタイつけてみたらまた違う感じかもね、とお互いを励まし合う。阪急へホワイトデーのプレゼントを買いに行っても、ショップ店員がストライプの入ったスーツを着ているのを見つけるたびにちょっと胸を撫で下ろす。ふう、心臓に悪い。
家に帰ってきて早速ロンTを脱いで襟付きの奇麗なシャツに着替えてネクタイを締めてみた。。。彼女の顔を見てみると、ああ、よかった。なんかほっとしてる。確かに全く変じゃないじゃないか。今までのお父さんスーツとは比べ物にならないよ。お店ではTシャツの上にスーツを羽織って靴もレザースニーカーだったから、なんだかチンピラ感丸出しだったんだけど、奇麗な格好をしてみたらあら不思議。馬子にも衣装、ぼくにもスーツ。
夫婦二人でハラハラドキドキしたぶん、ほっと胸を撫で下ろし、顔を見合わせてお互いの慌てようを思い出してくすくす笑った。