ユメ十夜

夏目漱石の夢十夜を下敷きにしたオムニバス映画。１話１話違う監督による違ったトーンの映像がなかなか興味深かった。原作とはかなり違うし、余分なメッセージなんかもあって夢が夢である不条理な感じが薄れてるけど、あくまで夢十夜を下敷きにしたオムニバスだと思えばそれもまた楽しい。意味が全く分からないのもあったけど、松尾スズキはやっぱり面白いなあ、緒川たまきの美しさがいいなあなんて平凡な感想に落ち着く。高校生のときに教育テレビのSide Bというちょっとマニアックな番組でファンになって以来だからもう１０年以上か。不思議な空気感の女優さんだ。
ずいぶん前に原作を読んだっきりでそっちも気になったので青空文庫で読み直してみた。（夏目漱石 夢十夜）ユメ十夜という試みも面白いけれど、やっぱり夢十夜の持つ余韻がたまらん。特に第一夜。読んでるだけで不思議な静けさでぞくぞくする。なんだかたまんない気持ちになってくる。

ユメ十夜 [DVD]