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柿の種中毒治療日記

Kobe→Manila→Guangzhou & Hong Kong→Seoul

ケータイ事情から無理やりに日本の行く末を考えてみた

日本に来る前からケータイをどうするか悩んでいたこともあって、ここ最近ずいぶんケータイ事情に詳しくなった。特にSIMロックについて。もちろん素人に毛も生えていない程度だけれども。
SIMというのはSubscriber Identity Moduleのことで、FOMAカードとかがそれにあたる。そのカードの中に電話番号などの情報が記録されているから、カードを入れ替えれば機種を変えても同じ番号を使うことができる。だから今回フィリピンに一足先に渡航するにあたって、World Wing対応の彼女のケータイとそうでないぼくのケータイのSIMカードを交換することで電話番号はお互いの番号を維持したまま機種交換をすることができたというわけ。ただ、これができたのはお互いがDocomoのケータイを使ってたからだ。日本のケータイにはSIMロックというのがかかっていて、Docomoで買ったケータイにほかのキャリアのSIMカードを挿入しても認識してくれない。こんな感じでエラーが出てしまう。

こういう風にロックをかけることで本体を安い値段で売って顧客を囲い込み、その後は確実に月々の料金を通じて回収するというのがキャリアにとってのメリットであり、日本でずっと行われてきたビジネスモデルではあるのだけれど、海外生活をするようになるとどうにも都合が悪い。行く先々でその国のキャリア専用の電話を買わない限りバカみたいに高いローミングを使わなきゃいけないなんて馬鹿げてる。日本からの電話を受けるのに高い料金を払うのはともかく、現地内でかける・かけてもらうのに日本経由の国際電話をかけなきゃいけないなんて。

一方、日本とは違ってこちらではSIM Lock Freeのケータイが主流である。ケータイ本体はかなり高いんだけれども、そのかわりどこのキャリアのカードを入れても使える。こっちで買ったNokiaの安いケータイ。普段はGlobeのprepaid SIMカードを入れて使っているのだけれども、ためしにFOMAカードを入れてみたらこのとおり。今はフィリピンにいるから、これでローミングもできるわけだ。WorldWingケータイを持ってきているから意味ないけど。

ここからは牽強付会だけど、これって国境の概念の違いのひとつの現れなのだろうか*1。仕事を求めて国境を簡単に越えて動く人たちにとってSIM lockなんてのは足かせでしかない。それが理由なのかはわからないけれど、いまやアジアの中心地シンガポールではSIM Lockをかけることは違法、香港で売られているiPhoneもそもそもSIM Lockがかかっていない。ところが日本のDocomoショップで聞いたらSIM Lockを解除するのに加えて*2海外のSIM Lock Freeのケータイを日本に持ち込んでFOMAカードをさして使うのさえ違法だっていわれた。ローミングするにも日本でWorldWing対応ケータイを買わなきゃだめだっていわれたんだもん。本当に違法なのかどうかはともかくとして、違法の概念が180度違うんだなあ。
どちらがいいとは一概に言えないし、SIMロックに守られた日本でキャリアごとに独自の進化を遂げたケータイサービスひとつひとつの細部にいたる出来は賞賛に値する。でもこれから人口減を迎える日本の中だけで彼らはどうやって持続的に成長していくつもりなのだろうか。狭い範囲で近親交配を繰り返して特殊な環境に対応できるようになったのでは、その中でいくら優れた技術を培っても出口がないし長期的には勝っていけない。『グローバルスタンダードのほうが技術的に劣っている』という主張が事実だとしても*3、それを受け入れてそのグローバルで勝てるようにしていかなきゃ先行きは暗い。フィリピンからのOFW受け入れに対する日本の高い壁を見るにつけても、実は日本は鎖国してるんじゃないかという錯覚にとらわれる。シンガポールの一人あたりGDPが日本を越えた今、落日という言葉がシリアスに聞こえる。日本にいたときに実感を伴って見えてなかったものがささいなことから見えてくる気がするなあ*4。明治の秀才たちは和魂洋才、海外にがんがん出て見聞を広めてきたわけだけど、今もう一度西洋*5そしてアジアに目を向ける必要があるのかもしれない。
と、真面目ぶったところで最近懸案のiPhone 3G。フィリピンでiPhone 3Gを出すことになったGlobeのカスタマーサービスに電話をしたらやはりUnlockはできないといわれた。耐久性や新機種発売の頻度を考えて二年以上使うのかという疑問がそもそもあるけれど、2-3年でまたフィリピンを離れることを考えるとSIMロックされていては都合が悪い。調べたところ、今の時点ではオーストラリアではキャリア自らオフィシャルなサービスとしてUnlockをしているとのこと。料金から見てもフィリピンで買うより安いしタイミングよくmangoくんが9月にはオーストラリア出張とのこと。シンガポールの料金プランと合わせて要検討である。え、なんでそこまでiPhoneにこだわるのか?こっちのsmartphoneは機能はすごいけど日本語対応してないから、アプリケーションによって自在にUIをいじれるiPhoneは魅力なんだよね。
http://asia.cnet.com/reviews/mobilephones/0,39050603,62043647,00.htm

*1:実際のところPrepaidで使う人が大部分だから、最初に高い値段で機種を購入することになる。高い金払って機種を買うのは自分なんだからキャリア選択の自由は自分にあるというだけのことかもしれないけど

*2:実際はSIM Lock解除業者が摘発されたものの不起訴になっているらしいので法的にはokayだけど、Docomoショップ店員のマニュアルはこうなってるのかね

*3:といっても、こちらのスマートフォンの普及っぷりにはおどろく。ぼくのは激安白黒画面のだから全く比較にならないけれど、iPhoneでなくてもNokiaやSonyEricsonの音楽ケータイ・フルブラウザでインターネット接続・3G+WiFiも当たり前のケータイやBlackberryも結構見る。ほんとに日本のケータイが勝ってるのか怪しいな

*4:誤解してほしくないけどぼくは日本が大好きだということも再確認

*5:NRIのレポートをたまたま見つけたんだけど、これによるとキャリアごとの独自サービスとそれに対応した端末が出回り始めているのでロックをかける意味がなくなってきているとのこと。なるほどねえ、それが乗り換えコストになってるわけだ。そうなるとなぜ日本でキャリアごとのサービスがものすごく異なるにもかかわらず日本のキャリアはSIMロックにこだわるのだろうか