柿の種中毒治療日記

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ランゲルハンス島の午後

腰の調子がやっぱり悪いのだ。家からでない日曜日にちょうどいい、素敵な本。10代、20代の頃は安西水丸さんの挿し絵をじっくり楽しむなんて楽しみ方には気づかなかったなあ。村上さんの文章ももちろん良いんだけれども、何故だか今日は挿絵を一枚一枚眺めながらしばしぼーっとしてしまった。
なんだかなつかしい気持ちになったのが、ウォークマンの絵。小学生のときにどうしてもウォークマンが欲しかったのだ。といってもウォークマンがソニーのブランドだなんて知らなかったし、欲張りなぼくはカセットテープだけじゃなくってラジオも聞けて録音も出来るやつが欲しかったんだ。でもそんな『なんでもあり』なものはミニマリズムの結晶であろうウォークマンのラインには存在しなかったのだ。
結局ソニーのウォークマンではなくって似たような他のメーカーのやつをお年玉で買った。ラジオ&録音機能付きのやつはやっぱりウォークマンよりぜんぜん分厚く大きかったけれども、嬉しくって毎日外に行くにも家の中でもヘッドフォンをしていた。ところがいつだったか誰かに『なんだ、ウォークマンじゃないんだ』っていわれてひどく悲しい気持ちになったなあ。
さて安西水丸さんの絵のカセットは『Hi position』である。ハイポジのカセットが良いんだとか、メタルのほうがもっと良いんだとかいってたことが遠い昔の事のようだ。昔はダビングしてカセットテープにお気に入りの曲を編集してたりしたけれども、今は全てiTunes。いまの子供の語彙にハイポジだとかダビングという言葉は存在するのであろうか。

ランゲルハンス島の午後 (新潮文庫)

ランゲルハンス島の午後 (新潮文庫)