柿の種中毒治療日記

Kobe→Manila→Guangzhou & Hong Kong→Seoul

都市への帰還

12時にアル・マハをチェックアウト。チェックアウト後もプールサイドでのんびりすることはできるので2時間ばかりのんびり読書。砂漠にプール?なんて贅沢だ。
実際のところ、砂漠ではあっても水が全くないわけではない。遠くに見えるオマーンとの国境にそびえる山脈によって、海から届く湿った空気が雲へと変わり雨を降らす。そしてその雨は地中深くの岩盤の上に分厚い水の層を作っている。だから砂漠を深く掘って行くと水を得ることができるのだ。昔と比べて井戸掘りの技術も格段に進歩している。40-50mという地中深くの水の層までとどく深い井戸からくみ上げているのだって。砂漠の中にはたまに立派な木も生えている。一部の木々はなんと根を地中深く水の層まで張って水を吸い上げているのだ。さらに、根からではなく葉から空気中の水分を吸収して生きている植物なんかもある。過酷な条件に適応した結果、とてもユニークな生き方をしているのだ。
2時に迎えの車が来て、1時間ばかり走ってふたたびエミレーツ・タワーズへ。二日間のアル・マハの滞在の後だからか、初日に驚いたはずの部屋が少し殺風景に見える。静かな部屋ではあるけれど、静かすぎる。無音の中ただ空調の音がかすかに響いている。部屋だけではない。部屋から見える光景も砂塵の中にそびえ立つ巨大なビル群も視界を圧倒する。なぜだか子供の頃に見た天空の城ラピュタの台詞が思い出された。『人は土を離れては生きてはいけない』ってさ。だからといって砂漠で暮らせるかと言えばその過酷さについて行けるわけがない。都市生活に慣れたぼくにとって、砂漠での二日間は完全な非日常体験だからこそ砂漠がリゾート足り得るのだけれど、それでもああいう茫漠たる大地への憧れというのはなにかもっと根源的な物なような気がする。

ふと机の上を見るとクリスマス間近だからかエミレーツ・タワーズの支配人からの招待状が来ていた。1Fにあるバーでカクテルとカナッペをふるまってくるという。ものは試しとふたりで少しおしゃれをして参加してみた。インドネシアから来たと言うバーテンダーと雑談をし、アラブ系らしいホテルのマネージャーとドバイとフィリピンについて語る。彼はホテルで働く従業員をスカウトしにフィリピンに行くことがあるそうだ。ドバイの繁栄を支えているのはフィリピン人や中国人、パキスタン、インド、バングラデシュなどアジア各国からの労働者だ。そういういろいろな人たちと話をするというのも楽しい。モエ・シャンドンがどんどん開けられていくなか、その場限りの人たちと話をして楽しむ。ある意味空虚ではあるけれど、まだ見ぬ世界への想像力を刺激されてこれまた楽しい。これは都市の楽しみ方かもね。