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柿の種中毒治療日記

Kobe→Manila→Guangzhou & Hong Kong→Seoul

政治ーリーダーシップ/正義/自由

Life in Manila Japan from outside Organization

オバマ大統領就任式を見ていたら夜更かし。アメリカというのは本当に個人のリーダーシップを重視する国なのだね。大統領という一人の人間に対するこの熱狂はすごい。大統領制とはそもそもそういうものなのだろうけれどね。そして理想論の部分は多分にあるにしても自由と正義に対する強い気持ちはおもしろい。(正義というのがどうにも一元的・一方的であるきらいはあるけれども)。これからアメリカはどこへ向かって行くのだろう。
大統領制と言えばここフィリピンも大統領制である。こちらの政治に全く無頓着だったのだけれども、会社でちょっとそういう話をしていてあまりの酷さに驚いた。ここには自由や正義という理想はないようだ。フィリピンと言えばマルコスの圧政と不正(イメルダ夫人の靴なんて日本ではいまやただのギャグだけど)だったりエストラーダの不正蓄財事件だったり政治の腐敗のネタに事欠かないけれども、現大統領は彼らを上回る不正の人として認識されているのだと言う。

  • 2001年就任以降の"Liquidation"。仕事の話ならこれは会社精算だとか旧品の在庫一掃とかそういう感じで使う言葉だけれど、これは実は『超法規的処刑』。つまり暗殺だ。アロヨ政権発足以来、800人以上もの人々が政治的理由から殺されたと言われている。被害者は、地域社会のリーダー、自治体の長や幹部、議員(反対勢力のね)、聖職者(教会はいまだ政治に対しても発言力を持っている)、労働組合や女性団体のリーダー、人権問題の活動家、ジャーナリスト、学生達などなど。国軍の関与も強く疑われていて大統領周辺が指示を出していると言う話もあるみたい。取り締まりも全く進まないけれどもそりゃそうだ。取り締まる側が殺してるんだもん。これは本当に民主主義国家か?
  • 2004年に大統領に僅差で再選されたがこの選挙は不正が疑われている。さらに大統領自身巨額汚職疑惑を抱えている。その額なんと1億3千万ドル。130億円。これは「国立ブロードバンド・ネットワーク」という情報通信システムの入札を巡ってのリベートでそれを限られた政府高官の間で分け合ったと疑われているのだ。年間10万円も収入がない多数の国民を尻目に蓄財に励むのだ。
  • 2010年には大統領任期が切れる。しかし憲法改正によりこれを変えようと言う動きもあるようだ(与党党首はその意図を否定しているが国民は信じていない)。この憲法改正をめぐっても茶番劇。フィリピンは2院制なのだけれど、上院24名、下院250名とかなり構成人数が違う。そこで下院の多数を握る大統領派は『両院会わせて一定数を超えれば憲法改正は可能だ』と主張しているのだ。なんのための二院制なのか素人には良く分からん。これを違憲として最高裁に持ち込もうという動きもあるようだけど、そこにまたトリックが。なんと最高裁裁判官の任命権は大統領にあるのだ。これだけならアメリカも一緒じゃないかという気がするけれど、アメリカの場合大統領の任命に上院の多数による同意が必要であるのに対し、フィリピンでは法曹評議会によって提示された裁判官の候補者から大統領が任命するのだ。なので必然的にイエスマンばっかり。そろそろ今の最高裁判事15人中7人の任期が切れるらしいけれど次の新しい7人は当然大統領の意のままだ。三権分立?そんなの本当に絵空事でしかない。T-Macs – Mac & iPhone Infos aus erster Hand |

さて来年には選挙は行われるのか。選挙が行われ、大統領が変わったところでそれはただ誰が儲けるかの違いでしかなく腐敗は消えないのかもしれない。選挙がないというのは現大統領のさらなる腐敗が続くということだからそれよりはまだましなのかもしれないけれど。選挙が近づくとLiquidationも多くなるそうな。国外脱出も真剣に考えなきゃ行けなかったりして。

日本にもきっと腐敗や汚職はたくさんあるのだろう。でもこの状況というのは比べ物にならない。みんなががんばって働いて、それは政治家と一部と既得権益を持つ人々の懐へと消えて行くのだ。ぼくは基本ノンポリティカルだし政治的なことにはできるだけかかわり合いにならないようにしてきたのだけどさすがにこれは考えさせられる。