柿の種中毒治療日記

Kobe→Manila→Guangzhou & Hong Kong→Seoul→Yokohama

水際対策

出張を終えて神戸からマニラに戻ってきた。関空からマニラへのPALはガラガラで快適な旅。ちょうど新型インフルエンザが神戸で発生したばかりということもあって、ぼくを含めて多くの人がマスクを着用。日本人ばかりでなくフィリピン人もマスクをしている。NAIAについたら、別便の台湾からの乗客も結構マスクをしていた。日本人だけが心配しすぎというような話もニュースなんかであるようだけれども、そんなこと全然ないね。
フィリピンではこれまでのところ新型インフルエンザが報告されていない。疑い症例が40件弱あったものの、すべて陰性と判明と大使館からのメールにもあった。以前SARSがアジアで大流行したときも、SARSが猛威を振るった香港に多くのOFWを送り込んでいるにもかかわらずフィリピンでは国内への侵入を食い止めた実績もあるのだと言う。なかなかやるじゃないか。水際の検疫って言ったって潜伏期間中ではサーモグラフィーなんかには引っかからないだろうし、あまり熱が出なくても感染しているということもあるらしい。それを完全にシャットダウンするなんて、いったいどんな対策をしているのであろうかと興味が高まる。
しかし結局のところ、通路に設置されたサーモグラフィーだけがその『対策』。機内で問診票と連絡先を書かされたのだけれども、それも回収されずに手元にある。実質フィリピンには健康状態についてはノーチェックで入国である。何のために問診票を書かせるのか意味が分からない。実際のところSARSにしても去年の鳥インフルエンザにしても本当に食い止めていたのか怪しいもんだなんて噂もあるみたい。さもありなん、って思ってしまうところがこの国のゆるさだよなあ。
翻って仕事のことを考えてみると、きっと世の中には『ポーズ』のためだけの仕事というのもたくさんあるんだろうなと思う。もしくは最初は意味があったものの、前例を踏襲して行くうちに形骸化し、価値を生み出さないのにコストだけがかかっているというものはたくさんあるのだろう。そういうところに切り込んでいければより効率化ができるな。