柿の種中毒治療日記

Kobe→Manila→Guangzhou & Hong Kong→Seoul→Yokohama

リスク・マネジメント

土曜日にちょうど神戸から帰ってきたばかりのところなのだけれども、その神戸で新型インフルエンザ大発生の模様ということに昨晩ようやく気がついた。5人程度ならと思っていたのだけれど、かなりの勢いで感染拡大中であることに驚く。今回のインフルエンザの毒性はそんなに強くなく、普通のインフルエンザと変わらないという情報もあるのでそこまでパニックになる必要はないとは思う。ただ3年前にその『普通のインフルエンザ』にかかったときの大変さを考えると、普通だからって油断するわけにはいくまい。何せあの時は三日三晩を超えて40度近い熱で苦しんだのだ。
今は熱も普段と比べて高いわけでもないし、自覚症状はない。感染しているかどうかと言われてもまったくその気はしない。忙しい時期だし、自分の仕事の効率だけを考えたら出社して働きたいところなのだけれども、それではリスク管理するべきマネージャとしては失格だろうな。万一チームや同じフロアの他のチームへ移し、さらに社内に蔓延した日には目も当てられない。うちはアジアから中東・東欧・アフリカまでの経理業務を一手に担うサービスセンターなので、『普通のインフルエンザ』でバタバタ人が休むだけでも通常業務に大きく差し支えるのだ。というわけで朝家を出る前に上司に連絡をし,さらに会社のドクターとHRのマネージャーに状況を報告。その結果、『帰国後7日間の自宅勤務および観察をAdviceする』という返事が返ってきた。
しかしAdviceとはなんぞや。Mandate(命令する・義務づける)なら分かるけれども、Advice(勧告)ということは個々人に決定権があるということであろうか。ぼくはもう家で働く準備ができているから良いけれど、日本に出張中の社員もぞくぞく帰ってきているし、これからも帰ってくる。そこらへんのガイドラインをもうちょっとはっきりさせてくれという話をしたら、そこも含めて検討するという暢気な話が帰ってきた。今日中にここで働く全従業員に連絡をするという話だったのだけれども、夕方もう一度確認したら各方面との合意がとれてないので明日それを発表するということだ。朝一でSwine flu対策委員会にこの話を持って行くという話だったのに、その委員会だけで意思決定できないなんて何のための委員会だ。もちろんこういう委員会が自律的に意思決定をするためには事前の準備と合意が必要だろう。いざことが起こってから悠長に対策を練ったり合意のために時間を使うというのはリスクマネジメントができていないしるしだよなあ。
結局夕方遅くまで家から仕事。幸い会社のネットワークにつなげるのでe-mailでのコミュニケーションはとれるのだけれども、どうしてもe-mailでは伝えにくい指示や会議を電話でやるのはやっぱり効率悪いなあ。