柿の種中毒治療日記

Kobe→Manila→Guangzhou & Hong Kong→Seoul→Yokohama

変わらない人

久しぶりに某戦コンで働く会社の元先輩からメールがやって来た。『昨今ビジネスが厳しい中、間接部門で働いていてよかったね』ってな内容。ぼくが今働いている部門はサービスセンターだから、コストセンター。だから売り上げ目標や利益目標に縛られるプロフィットセンター/事業部で働くより楽だよね、という意味であろう。この人変わらないな。

  • 確かにぼくたちの仕事に売り上げ目標はないけれど、コスト削減目標はある。工場と同じく、どれだけ安くかつ質の高いサービスを提供できるかという事に対してはかなりシビアである。グローバル化の中、売上げに占める人件費比率を大きく削減するドライバーになっているのはこの社内サービスセンターというひとつの「戦略』である。
  • 会計部門はバックオフィスだ。ただフロントが戦略を策定した上で、じゃあ結果をどうモニターし管理するかという管理会計のシステム無しにはプロフィットセンターという概念自体が絵に描いた餅である。管理会計を支える会計部門はF1で言えば計器だ。コクピットに座るドライバー(経営者)にタイムリーかつ正確な情報を伝える事ができて初めてドライバーはその情報を信頼して運転できる。事業部再編などに伴ってシステムをすべて改変し、エラーのない『計器』を維持する仕事というのは地味だけれどもね。

大きな会社で働いていると今まで知らなかったような仕事をしている人たちがたくさんいて、ひとつひとつは地味でも実際のビジネスの上ではクリティカルな役目を担っていたりすることに気付く。戦略は確かに大切であろう。でもそれを実現する仕組みづくりであったり、それを実行する実行部隊の育成無しにはすべて絵に描いた餅だ。かっこ良く『戦略』を提示すれば良かった古き良き時代は終わり、戦略コンサルティングファームもどんどんImplementation/Executionの方に仕事をシフトしていると聞くけれどもね。