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柿の種中毒治療日記

Kobe→Manila→Guangzhou & Hong Kong→Seoul

有給休暇会計と有給消化

連結決算上はUSGAAPに基づいた決算がベースだけれども、日本の法人の決算に関しては日本特有のJGAAPに基づいた決算も必要である。これがけっこう大変。色々な会計ルールが違うので、USベースの財務諸表からJベースの財務諸表への修正項目がゴマンとある。USにしてもJにしても、国際会計基準IFRSに近づけていく動きはあるのだけれども、それはまだ先の話。
ここ二週間くらい夜中にUSのアカウンティンググループと何度も話をしていたのだけれど、有給休暇の会計方針もアメリカと日本で全く違うのだ。アメリカの会計基準では従業員の過去の勤務分の未消化有給休暇に対して負債を計上する事が求められている。一方日本の会計基準ではこういうコンセプトは全くない。ここのところをアメリカ人やフィリピン人に説明すると、なぜ未消化の有給を負債として計上しないなんてことがありうるのかという質問が返ってくる。
このへん彼我の有給休暇に対する明確な制度と意識の差が伺えて面白い。こちらでは有給休暇は従業員の当然の権利であるばかりではなく、有給をキッチリ取る事は従業員の義務でもあるのだ。有給休暇をとらせることでリフレッシュしてもらい、また気分一新、高いモチベーションで仕事に従事してもらうことで結果をあげさせようという考え方だ。だから年間に賦与されている有給休暇のうち決められた日数は必ず消化することが会社のルールで求められている。そして消化されなかった部分はどうなるかというと、一日あたりいくらで現金化される。未消化有給は実際、会社にとってキャッシュアウトを伴う負債なのである。もちろん従業員の中には一日も消化したくないからその分金をくれ、という人もいる。ただそれでは有給でリフレッシュさせるという目的にもかなわないし、会社としてもより多くの負債を抱える事になる。だから有給消化率が高いというのは会社にとっても悪い事ではないのだ。(ちなみに病気の時には使うのはSick Leaveー傷病休暇でありこれはまた有給休暇とは別物だ)。
そういう考え方がベースになっている人に、日本では有給の現金化ということが退職時など一部の例外を除いて認められていないこと、有給の消化率がそんなに高くない事などを説明すると非常に驚かれる。ぼくは日本の会社で働いた事がないからわからないのだけれども、日本ではどちらかというと有給を使う=悪い事みたいな考え方もまだまだあるみたいだからね。過去有給を使った事がないのが自慢、とか冗談のように感じられるね。さて、いくつかの会計系のウェブサイトを見ていたら、日本でも有給休暇会計が導入される事によって有給消化率が高まるのではないかという意見があるみたいだ。まあ現金化することができないのに負債として認識するなんてのも変な話な気もするから、労働法がかわらない事には意味がない気もするけれど、こういう会計基準が入っていく事で有給に対する認識そのものがかわるきっかけとなるのなら、会計がただなにかを計るためのツールではなく、会社の行動さえ変えるツールになりうるという面白さがあるね。