タイで最高の地位と格式を誇るという王室寺院、ワット・プラケオに行って来た。正式名称はワット・プラ・シー・ラタナー・サーサダーラムというそうだ。本堂にはエメラルド色の仏像を祭ってあることからエメラルド寺院としても知られている。
宿泊先のエンポリウム・スイートからはタクシーで移動。15kmほどしかないはずだけれども、さすがにバンコクの渋滞はなかなかのもので1時間弱かかった。それでも料金は120バーツほど。タクシーの中には仏像が飾られ、車の天井にもお守りらしき絵が描かれている。キリスト教国のフィリピンではマリア像か十字架が定番なのだけれども、ここはやはり仏教の国だ。窓から見える街並はとても発展していて賑やか。マニラとは比べ物にならない。
入場前に服装をチェックされる。神聖な場所だから、短パンやタンクトップは禁じられている。一人350B支払って、中へと進む。
入ってすぐだというのに息を飲んだ。きらびやかな建築物。この寺院は1782年にラーマ1世がビルマ軍に侵攻されたアユタヤから遷都して来たと同時につくられたのだそうだ。しかし寺院の中は極彩色が保たれている。たえまなく修理が行われているから、200年というときを感じさせない。10年前に訪れたときのことも一緒に記憶によみがえって来た。
入ったところには漢方薬の祖先と呼ばれる仙人像。そこに花を祭る。入ってたったの5mも歩いていないのに、足がそこから動かない。
本堂の側面に回ってまた息をのむ。色とりどりのガラスだろうか。光がきらめいてタイ王国の栄光を高らかに知らしめている。
テラスの上には三つの塔。左からプラ・シー・ラタナー・チェディ、プラ・モントップ、プラサート・プラ・テープビドーン。
境内にはガジュマルの木。ここは少しメインのルートから外れているから静かなものだ。回廊の下に座り、しばし風に揺れる本堂の鈴の音に耳を傾けて目をつぶる。贅沢な時間。
プラ・モントップの外側を歩く。ここもまた細かい細工が美しい。
こちらは金色の半人半鳥、キンナラである。歌や踊りの得意な天の楽人、ラーマーキエンに登場するのだそうだ。
ラーマーヤナ神話に登場する悪魔と猿神が交互に支える仏塔プラ・スワンナ・チェディ。この寺院内で最も古い仏塔だという。未来永劫仏塔を支え続けるのは名誉なことかそれとも苦行か。
本堂の前では花のつぼみを水につけ、その水で頭を清めていた。日本であれば煙ということになろうけれどもところかわれば違うものだね。
境内の中には蓮の花の咲く瓶がいくつも置かれていて、これまたとても素敵だ。とにかく暑く、日差しも強いのだけれども少しほっとする。
このあと1時間かけてタクシーでエンポリウムに帰って来た。暑い日差しの中だったけれどもとても充実した一日。