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柿の種中毒治療日記

Kobe→Manila→Guangzhou & Hong Kong→Seoul

初心者ダイバー危機一髪

今年二度目のダイビングをしにアニラオへ。一月からフィリピンに赴任しているOさんと二人。彼は9年ぶりのダイビングということで復習講習を、ぼくはそのあいだファンダイブ二本。初心もまだ忘れていないにもかかわらず、9本目/10本目にしてぞっとする体験をしてしまった。どちらも自分でも驚くぐらい冷静だったし、結果としてはなにも深刻なことにはならなかったのだけれども、いま考えても恐ろしい。

Dive #9 - Twin Rocks

前回に引き続き、今日もTwin Rocksへ。ここは初心者ダイバーにも人気の潜りやすいスポット。今日もギンガメアジの群れが待っているはず。ボートからどぼんと潜ってギンガメアジがいるあたりを目指す。水面はすごく穏やかで波も全くなかったのだけれども、海中は結構潮の流れがあってフィンをほとんど動かすことなくどんどんと進んで行った。思ったよりスピードが速いので写真は中々撮れず。そうこうするうちにギンガメアジの群れに遭遇、今日も悠々と泳ぐ群れが魅力的だ。色とりどりの魚を堪能し、さて帰路。ところが当たり前のことながら今度は潮の流れとは逆。フィンを打てども打てども中々前に進まない。写真なんて撮ってる場合ではない。あまり激しい運動をすると空気を使い過ぎちゃうし、かといってついて行けないなんてシャレにならん。時には岩をつかんで流れをやり過ごす。結局のところ一緒に潜った四人全員、最初のポイントまでは戻れずかなり流されたところで浮上。すぐにボートが迎えに来てくれたし、流れも陸の方へ向かう流れだったから陸からすぐ近くのところで浮上したのだけれど、逆だったら怖いわな。ガイドに聞いたら『ちょっと』流れが強かったくらいらしいので危険というわけでもなんでもないみたいだけれど慣れと訓練が必要である。
さてこの二本目、実は途中で浮上しちゃったのだ。『あれ、上がって行く。停まらない』なんて思っていたら気付けば水面近く。水深5−6mからだったのだけれども、水圧は深さに反比例するため浅いところでの5mでの水圧変化は深いところでの5mの水圧変化よりも大きく意外に危険だ。ダイビングで危険なことの一つに急速な浮上というのがあって、減圧症を起こすリスクがある。それは頭では分かっていたのだけれど、コントロールできなかった。冷静に考えると原因は二つ。一つ目はウエイトの付け過ぎとBCD操作のおぼつかなさ。これまではもうちょっと軽めのウエイトでやってBCDには空気を入れず呼吸だけで浮力を調整していた。その分BCDをいじることはほとんどなかった。今回はウエイトを付け過ぎて、沈みやすくなる分中性浮力をとるために水中でもBCDに空気を入れた。BCDに入った空気は水深が浅くなると圧力が減る分体積を増し、その結果浮力がさらに増すことになる。本当ならうまくBCD内の空気を抜いてあげないと行けないのだけれど、それがなかなかできなかった。二つ目は水深の把握。上に浮上し始めた時に、まあのんびりやればどうにかなるだろうと思っていたのだけれど、気付けば水上近くだった。パニックはまったくならずそれは良かったのだけれども、そもそも今どこにいるのかという認識がなく、まだ水面まではずいぶんあるだろうなんて勝手に思ってただけなのだ。


セグロリュウグウウミウシというウミウシウミウシは海の宝石とも呼ばれているらしい。


再びギンガメアジの群れに遭遇。ここにはたくさんの群れがいるそうだ。

左の方にいるのはクモウツボというウツボの仲間。毒々しい背中の模様とは裏腹に毒は持っていないのだけれど、噛みます。噛むととても危険なんだって。

こちらはオニカサゴ。地面にカモフラージュされたような色合いで中々分からないけれど。右側から口、鼻、目、胴体で上下にひれ。こいつは背中に毒を持っているそうな。

最大水深18m。44分。

Dive #10 - Koala

1時間と少しの休憩を挟んで、次なるダイビングスポット、Koalaへ移動。かわいらしい名前である。色々な魚もいて見所もたくさん。
まずは定番、クマノミカクレクマノミとは別の種類です。

ポ、ポニョ???おそらくハナダイの仲間なのかな?目の感じとか、まさにポニョ。

そしてまたウミウシ。珊瑚の下にいてカメラがいい角度で入らなかったのだけれども、とてもきれい。それにしてオペレーターは良くこんな小さなウミウシを見つけるなあ。

このカラフルな黄色の縁取りを持つ青い物体。これはホヤの仲間なのだそうだ。ホヤは水の吸い込み口と吐き出し口二つが並んでいるのが特徴なんだって。ちなみにこのホヤ、突っつくと黄色い縁取りが星形にすぼんでとても可愛いらしい。次回は突っついてみよう。

この青くぴろーんと出ているのはカワハギの仲間。危険を感じると狭いところに潜り込む習性があるそうな。ところがいつも『頭隠して尻隠さず』というナイスな習性。とはいっても単に頭を突っ込んでいるというわけではない。顔の周りに突起があって、それを岩に引っ掛けることで後ろから引っ張られる力に対抗するんだって。ぱくりと食べられては意味がなさそうだけれども。

シャコの仲間が頭を出している。こいつは前に歩く。


今日ここまでこまめに残圧を見るようにしていて、なんだかエアが減るのが早い気がしていた。再び残圧をチェックしてみたのだけれども、嫌な予感がする。今日使ったレギュレーターは気圧ではなくってPsi表示なのだけれども、0.5を切っている。ん?ってことは冷静に換算すると3Psiが200気圧だから40気圧切ってるってことだ。上を見上げても水面まではまだまだありそうだし、周りの人たちもエアを気にしている素振りはない。オペレーターの行動を見ていてもまだ上がる気配無し。これはぼくだけ相当エアを消費したということだろうか。普段だったらこの段階で70−80気圧は残っているはずなのに少な過ぎる。落ち着け。ここでパニックになっては超危険。かといってぼやぼやしていたらエアが切れるのは目に見えている。そうこうしているうちにも残圧は少なくなっていく。0.4, 0.3,...これはぼやぼやしている場合ではない。先を行くオペレーターのところまで向かい、講習の記憶にも新しいエア切れのサイン。オペレーターは落ち着いた様子でオクトパスをくれた。自分のレギュレーターを離してオクトパスを口に含みなおす一瞬口に入った海水はとても塩辛かった。事なきを得た。。。
オペレーターのオクトパスから空気をもらいながらだから、正直写真を撮る気なんて消え失せてた。でも彼が『ウミウシがいるよ、撮りな』とジェスチャーで教えてくれる。撮らなければ先に進んでもらえなさそうなので、とりあえず撮った一枚。ミスジアオイロウミウシ

その後5mのところで安全停止。そうすると一緒に潜っていた人がコントロールを失ったのかすーっと上昇して行った。オペレーターはぼくの残圧計を見て、一人でいけと判断して追って行った。もう水深も浅いので空気の消費量は少ない。ゆっくり、あせらず上がって行って水面に着いたところでちょうどエア切れ。BCDを膨らませる空気もなかった。安全停止中にBCDが膨らまなかったときの対処法を頭の中に描いていたので焦らず落ち着いて処理できたのが不幸中の幸い。
ボートに上がってなぜそんなに空気が早くなくなったのか首を傾げていたところ、一緒に潜った人がダイブコンピューターを見せてくれた。げ、なんと28mまで潜っている。とにかくコンサバティブにいこうとこれまで20mを超えて潜ったことなんてなかったのに、まったく気付かなかった。水深が10m違うと気圧は1気圧違う。20m(3気圧)と30m(4気圧)では空気が33%圧縮されるからその分空気の消費スピードも速い。そりゃエアも切れるわ。ぼくがオクトパスから空気をもらっているのを見て何事かと思っていたそうだ。というか実際のところ無減圧潜水時間は守れていたのだろうか。。。ダイビングコンピューター頼みのダイビングは危険だと言うけれど、それなしでは自分のリスク管理だっておぼつかない。『冷静に対処されましたね』とは言われたし、実際ものすごく冷静だった。でも家でウトウトしている時にとてもとても怖い夢を見た。二度とこんな危険な潜りかたはやりたくない。日本の通販で買ったダイビングコンピューターは来週届く予定。なにはともあれ、次からはもっともっと気をつけよう。