柿の種中毒治療日記

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ピーターの法則

お昼に1時間半のトレーニングを受けた。部下のキャリア・ガイダンスをすることが求められる上司対象のトレーニング。その中で、ピーターの法則というとても面白い法則に触れていた。これは社会学の世界では良く知られたコンセプトらしい。Wikipediaによると、

ピーターの法則とは組織構成員の労働に関する社会学の法則。

  1. 能力主義の階層社会に於いて、人間は能力の極限まで出世する。すると有能な平構成員も無能な中間管理職になる。
  2. 時が経つに連れて人間は悉く出世していく。無能な平構成員はそのまま平構成員の地位に落ち着き、有能な平構成員は無能な中間管理職の地位に落ち着く。その結果、各階層は無能な人間で埋め尽くされる。
  3. その組織の仕事は、まだ出世の余地のある、無能レベルに達していない人間によって遂行される。

http://ja.wikipedia.org/wiki/ピーターの法則

あるレベルから次のレベルに出世するには、今いるレベルで自分が有能であることを証明することが必要だ。しかしそれは次のレベルでの成功を約束するものではない。それどころかマネージャーとしての成功に必要な能力は現場レベルで成功する能力とは往々にして異なる。だから出世した結果、『私がやりたかった仕事はこんなのではなかった』ということが起こる。『有能であり成功をおさめて出世した』はずのマネージャーが離職する理由の多くはこの適性のミスマッチだという。外資系の場合そこでそのポジションに留まることは難しいので、無能な上級職が溜まることは少ないけれども、下のレベルで有為であった人物をみすみす失うのはもったいないことだ。
逆の例として、とても優秀だと評価されていたけれども昇進の誘いを頑として受け付けなかったと言う人の話も出た。その人は『自分が成功できるのはここだ』とはっきり言っていたらしい。昇進するということはキャリアの一つの目標となりがちであるけれども、昇進は個人・会社双方にとって必ずしも益になるとは限らないというのが面白い。ある一定のレベルに居続けることが会社にとっても個人にとっても最も良いということがあり得るのは興味深い。
翻って人事システムを考えてみると、エキスパートコースと上級管理職選別コースを設けるというのは非常に理にかなっている。エキスパートコースに進む人間に対しては昇進ではなく昇給とエキスパートであるという名誉をもってモチベーションを維持する。一方、上級管理職に昇進させる前の段階でその資質を確認・また次のレベルで必要な資質のトレーニングを行うというのも理にかなっている。一律の昇進ではなく、多様性にとんだ人材を生かすキャリアシステムを作れるかどうかというのは企業の根幹に関わることであろう。