iPadを買って楽しんでいるのが電子書籍。日本から離れていても、日本の漫画がさっと手に入るなんてすごい時代になったものだ。関税だってかからないし、輸送費もかからないので海外で日本の漫画を手に入れるコストは半額以下。iPadのおかげで日本を出てから4年ぶりに新しい漫画を読んだ。
海外から日本の漫画を買うというのは特殊な例としても、電子書籍というのはやっぱりすごいイノベーションだ。店舗に足を運ぶことなく24時間いつでも本を手に入れることができ、しかも物理的な保管スペースを食われることがない。品切れだって原理的にあり得ないし、紙が黄ばんだり劣化したりすることもない。検索だって簡単にできるし、蔵書管理も容易になる。電子書籍が実物の本と同じ値段だったり高かったりすることに対して不満の声もあるようだけれども、単価が同じだとしても空間を占有する"cost of capacity"を考えれば電子書籍の方が割安かもしれない。『実物がない』ことが価値だというのは新しい考え方だよね*1。
業界側からしてもチャンスと捉えることもできよう。実店舗では大人買いをするつもりでも重さのあまり我に返って買うのをやめるなんてこともあろうけれども、電子書籍だとそういう心理的障壁が低くばんばんとクリックして買ってしまう。アカウントのセキュリティ上本の貸し借りは難しいので従来の逸失利益もいくらかは取り返せるだろう。Book offなどの出る幕もないし*2出版業界としてもかなりのビジネス機会なのではないだろうか。
とはいえ日本の電子出版業界はデファクトスタンダードがないのが消費者としては不満と言えば不満。今は紀伊国屋の電子書籍を使っているのだけれど、品揃えがまだまだ。その品揃えを補完するために他の会社のサービスも使っているのだけれど、やっぱり一元管理したいという欲求がむくむく湧いてくる。そのへんAmazon Kindleがいよいよ日本上陸らしいし、どこまで黒船が黒船として業界を一変させてくれるのか楽しみである*3。
あとは我が家の数百冊の実物の本たち。これを全てデジタル化して実物は全部片付けてしまいたいのだけれど。
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