柿の種中毒治療日記

Kobe→Manila→Guangzhou & Hong Kong→Seoul→Yokohama

中国家庭のジニ係数0.61 所得格差深刻

中国の金持ちの金持ちっぷりたるや凄い。広州でもランボルギーニやフェラーリなんかが普通に走っている。その一方で、うちのお手伝いさんの給与なんか月々2-3万円ほど。それでも一般的な水準からすればまずまずだという。香港のシャネルやカルティエといったブランド店には本土から来た金持ち達が長い列をなしているし、香港から広州へ向かう鉄道にはブランドものの巨大な紙袋を両手一杯にぶら下げている人々をざらにみる。

そんな中国家庭のジニ係数が0.6を超えたというのがニュースになっていた。*1さて、0.6というジニ係数。一体どういう国々がそういう高い数字を叩き出しているのかと思ってググってみたら、アメリカのCIA World Factbookのデータをもとにリスト化したサイトを見つけた。

Global Gini index ranking by country

上位に並ぶ国はサブサハラの国がほとんどで、そこに中南米の国々が続く。ちょっとデータは古いけれどもハイチの2001年度のジニ係数がちょうど0.6あたりだから、ハイチの所得格差とくらべてもいい線ってことなんだな。以前暮らしていたフィリピンはジニ係数45.8で全体の40位。フィリピンでは空港からマニラ市内への道のりにスラムがあったりして貧しさを実感していたのだけれども、そのフィリピンを遥かに上回る格差だとはね。

西南財経大学が実施した「中国家庭金融調査」の結果が9日、北京で発表された。これによると、2010年の中国家庭のジニ係数(所得格差の指標のひとつ)は0.61と、世界平均レベルを大幅に下回った。北京の日刊紙・京華時報が伝えた。

「中国家庭金融調査」報告の統計データによると、2010年の中国家庭のジニ係数は0.61、都市部家庭のジニ係数は0.56、農村部家庭のジニ係数は0.60。これらの数値から、中国では、全国・都市部・農村部の別にかかわらず、所得格差が極めて大きい現状が浮き彫りとなった。報告では、「現在、中国家庭の所得格差は、世界でも珍しいほど極端に大きい」と結論づけている。

中国家庭のジニ係数0.61 所得格差深刻 (3)--人民網日本語版--人民日報

なお、ジニ係数というのはあくまで富の偏在具合を示すだけの指標なので、99%の人が年収1000万円で、一人だけが超超超大金持ちなんて場合にも数字が大きくなることには留意したい。とはいえ先日読んでたShanghai Dailyでは中国の田舎の方のエイズ蔓延が話題になっていて、当地の売春のお値段20元(日本円で260円)ほど。それでも田舎の収入からすれば短期的にはかなり実入りのいい仕事だというので田舎の人々の所得は推して知るべし。

*1:ジニ係数というのは所得格差を示す指標の一つ。x軸に所得者の累積比率を、y軸に累積所得比率をプロットしたのがローレンツ曲線。所得が完全に均等に分配されている場合、角度45度の直線となる。例えば10人が10万円ずつ均等に所得がある場合を考えれば簡単にイメージできる。所得が均等に分配されない場合、ローレンツ曲線は右肩上がりの曲線を描くことになる。この曲線と所得が均等に分配された角度45度の直線で囲まれた面積が元の三角形に占める比率がジニ係数。所得が完全に均等分配されている場合は当然0。所得の分配に格差ができるとローレンツ曲線の曲がりがどんどんきつくなっていき、その極限として所得が独り占めされている場合は1。