柿の種中毒治療日記

Kobe→Manila→Guangzhou & Hong Kong→Seoul→Yokohama

使い捨てないもの選びについて

先日身の回りのものを再度整理していたところ、物置部屋からRed Wingのアイリッシュセッターが出てきた。


このブーツ、てっきり断捨離したのだとばかり思っていた。しばらく前に香港のBEAMSで久しぶりにRed Wingのブーツを見て、改めて悪くない靴だな、と捨てたのを内心後悔していたところなので思わぬ再会である。

この靴、思い返せばいまからもう15年以上も前の1997年、僕がすり切れたスニーカーを履いていたのを見かねて、祖母が買ってくれたのであった。当時レッドウィングといえば、クレープソールのアイリッシュセッターだったのだけれども、流行まっただ中に飛び込むのが癪に障るという天邪鬼な理由で黒いビブラムソールの8175を選んだのだよな。秋・冬はいつも大活躍だった。その後バイクに乗るようになって、さらにまた数年後防水性に勝るダナー・ケブラー・ライトを買ったころからレッドウィングの出番はぐっと減っちゃったんだけれども。

とはいえ湿度の高い広州で箱の中に納められてしまわれていたので、残念なことに靴の表面を緑のカビがうっすらと覆っていた。ダメ元だけれども、手は尽くしてみようとネットで革靴のカビの対処法を調べる。


消毒用エタノールを靴の表・内側すべてに吹きかけて殺菌。その後、2日ほど日当りの良い場所に置いておいた。エタノールで拭き取っただけで、カビっぽい物はとれたみたい。
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週末の時間を使って思い切って丸洗い。いろんなサイトでサドルソープという専用の洗剤を使うやり方が紹介されていたのだけれども、中国で暮らしているのでどこで入手可能なのか良くわからない。しかもサドルソープは実は皮革にあまりよくないなどという文献も見つけたので、折衷案として弱酸性ボディーソープで洗ってみることにした。日経のウェブ版でもボディーソープで洗ってうまくいったという記事も会ったしね。思い切って水にどぼんとつけて、スポンジの柔らかい面でゴシゴシ。白い糸のステッチ部分は食器洗い用の洗剤を薄めて歯ブラシでゴシゴシ。
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タオルドライを繰り返し、内側の水分がある程度抜けたところでシューツリーを入れて日陰で風にさらす。広州は暑いのですぐに乾いていく。一日自然に乾くに任せ、乾ききる前にクリームを塗ってみた。本当は専用のオイルがいいのだろうけれども、別の時に断捨離した際に靴を捨てたのにオイルだけ持ってたって無駄だからとオイルの方は確実に捨ててしまったのである。というわけで、革が乾ききって割れても困るので、とりあえずサフィールの無色クリームを薄くぬってみた。水に長時間つけ込んだ訳でもないし、ボディーソープもかなり薄めたので黒ずみ汚れはあまり取れていない。写真で見てもそんなに差がわからないけれども、感覚的には全体的にしゃっきりした感じ。
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ブランクはしばらくあるけれど、15年経っても変わらずはけるというのはなかなかすごい。手入れしながら長く使うという、ファストファッションとは対極のやりかたのほうが個人的にはしっくりくるな。しばらく広州は猛暑が続くのですぐに履く機会はなさそうだけれども、また冬になる前に靴ひもをどこかで新調して復活といけばいい。