月曜日。昨日の日曜日は三一節の祝日だった。ふと会社に向かう車の中で『今日が実は振替休日で、会社に行って誰もいなかったらどうしよう(いや、むしろラッキー)』などと考えていた。しかし、会社に着いてみたら部下が普通に働いている。振替休日というルールがないのか聞いてみたところ、旧正月と九月のチュソクの祝日が日曜日と重なった場合は振替休日が適用されるものの、それ以外の祝日の場合は振替られないとのこと。とほほ。。。
韓国に来てからというもの、祝日の数が中国の時より減って、より働いている。組織全体の労働時間も、ぼくが過去働いたことのある5カ国中で最も長い感じ。気になったのでOECDの加盟国の労働時間比較を調べてみた。独立行政法人労働政策研究研修機構というところのデータによると、韓国の一人当たり平均年間総実労働時間はなんとOECD加盟国でダントツに長い2090時間!二位のアメリカと比べて年間300時間近く労働時間が長い。日本と比べると年間360時間も長い。むむ、やはりその「感じ」はあっていたのか。
6. 労働時間・労働時間制度:データブック国際労働比較2014/労働政策研究・研修機構(JILPT)
何人かの韓国人マネージャと話をしていたところ、いくつかの見解が。いわく、
- 上司が帰らないと部下が帰れないという儒教文化。
- 個人の責任範囲が不明確でチーム全体で責任を共有するため、個人がはやく終わらせても帰りにくいというワークデザイン。「なにかお手伝いすることありますか」というやつだ。
- 学生時代のはげしい受験競争により、長時間労働があたりまえだと叩き込まれている。
などなど。祝日の制度設計なども労働時間が長くなる理由の一つかもしれない。
しかしその一方、当然のことながら長時間の労働がかならずしも高効率というわけではない。韓国の一般的な文化としては昼食時の軽いビールやソジュは容認されているらしく、ランチの席で財閥系大企業の男性社員たちがビールを飲んでいるところをしばしば目撃される*1。また、夜の飲みも非常に激しいので、午前中は二日酔いでほとんど仕事にならなくても容認されるところが多いそうな。さらに、「社員の福利厚生のために」夕食を社食でただで提供する大会社も多く、遅くまで残るインセンティブがある。
なので長時間拘束されているものの、かならずしもインテンシブというわけではない。韓国の労働者の時間あたり生産性の国際比較はOECD加盟国36カ国中29位*2と、それを裏付けている。
外資系のうちの会社ではそういったある意味リラックスした部分だけが取り去られ、インテンシブな労働が長時間続く傾向にあるのかもしれない。なるほどね。目下の課題はいかに80:20の文化を根付かせ無駄な長時間労働をやめるかである。