柿の種中毒治療日記

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人を動かす、新たな3原則

日曜日。ダニエル・ピンクのTo Sell is Humanを読了。邦訳のタイトルがなんだか胡散臭さまんたんなんだけれども、中身は至極まっとう。いろいろな最新の知見をとりいれた、素晴らしい本。

ダニエル・ピンクいわく、その昔SalesのABCは"Always be closing"だったという。つまり、プッシュだったりいろんな手を使ってディールをクローズするのがセールスの腕の見せ所だった。ところが、買い手と売り手の情報の非対称性が縮まり、かつ買い手側が売り手の評価をインターネットを通じてつまびらかにできるようになったいま、昔のABCは効果を失った。

新しい時代のABCはAttunement, Buoyancy, Clarity。ひとつめは同調すること。買い手の視点を取り込み、買い手と同調する(共感ではない)。ふたつめはポジティヴィティ。ものごとをポジティブに捉える割合とネガティブに捉える割合が3:1を超える人の方が売り込み能力が高いそうな。ただし、その割合が11:1を超え、過剰にポジティブ・シンキングになると再びセールス能力は落ちる。そして最後は明確性。問題解決ではなく、問題発見・問題定義に力を注ぐ。この三つの原則に加え、三つのスキルも紹介されている。

この本の冒頭にも出てくるけれど、日々の仕事でやっていることは社内での売り込みに他ならない。とても面白い本だった。