柿の種中毒治療日記

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哀愁的東京

木曜日。朝から店頭周り。知らなかったことがたくさんあって勉強になる。

家に帰って、ひとりビールを飲みながら重松清さんの『哀愁的東京』を読了。普段縁のない種類の本を読む個人的フェア第11弾。

内容の方は、残念ながらあまり波長が合わなかった。主人公は40歳くらいだからぼくもそろそろ近い年齢になってきているのだけれども、あまり分かり合えない感じ。変えることのできない過去にとらわれて、今と未来とを犠牲にしているというのかな。哀愁という気持ちはわからないでもないけれど、その感情に浸って結局のところ自分をスポイルしているだけじゃないかとも思う。最後の最後に少し希望が見えるシーンがあるのが救いだけれども、そこに至るまでに延々と「哀愁」の話が続くのはあまり精神衛生上よろしくない。

いや、自分がまだたまたまそういう境遇になっていないだけで、そちら側に対して否定的・拒絶的になっているだけなのかもしれないけれど。それはあるかもしれない。ぼくは運命論者ではないけれど、そうならざるを得ないような大波を経験したことがないだけ、ということもできるかもしれない。それでも変に醒めた見方を身につけるよりも、いつまでもバカでまっすぐぶつかっていきたいななんて思う。

実は1年以上前にKindleの角川文庫が70%オフだった時に買ってそのままになっていた本。積読本が増えてきているので、ここらで一旦そういう本を一気に読もう。

哀愁的東京 (角川文庫)

哀愁的東京 (角川文庫)