火曜日。今日はインターン採用の最終面接に時間を割いた。採用に携わるようになって10年以上。韓国で採用に携わるのは初めてだけれども、学生たちの優秀さに目玉が飛び出る。韓国は就職市場が完全に買い手市場。採用の門戸が大変に狭く競争が非常に激しいと聞いていたけれども、それにしてもすごい。ぱっと見のCVもすごいし、深く知りたいと問いかければ問いかけたで打てば打つほど響く。英語は当然のようにペラペラで意思疎通にも全く問題がなく、言いたいことが非常に明確だしこちらの質問の意図もさっと汲み取ってくれる。ぼくが就職活動をしたのはもう15年も前の話になるけれども、いまぼくがこの人たちの中にいたら勝負にならなかったな。こちらも負けちゃいられない。より精進したい。
問いかける技術
- 作者: エドガー・H・シャイン,金井壽宏
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2014/11/26
- メディア: Kindle版
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現代の労働環境は組織ハイエラルキーの上位の人間がすべてを知るには情報量が多すぎるし、正しい判断を常に下すことが不可能なほど複雑である。著者によれば現代の組織プレーというのはリレーのようなもので、組織のすべての人間がベストパフォーマンスを出すことが求められ、またバトンパスのようにメンバー同士の理解とハイレベルな協働が求められるのだという。
『謙虚に問う』というスキルは上司の側から部下に対して協力を求め、部下が積極的に発言することを可能にする重要なスキルである。例えば病院の外科手術チームの例が出てくる。病院という世界は医者が絶対的な権力を持っている世界だけれども、看護師や技師たちも特有のスキルと視点を持っている。難しい手術に挑む際に、いかにチームの連携力を高め、また看護師や技師といった『ロー・ハイエラルキー』の人々が問題を発見した場合に報復を恐れることなく声を上げられるかということがチームの難手術成功力に直結する。そこで大切になるのが『謙虚な質問』をその場のトップがうまく用い、知らないことを知らないと認め、チームの全員の視点を吸い上げられる場を作れるかということ。
これは先日読んだ『チームが機能するとはどういうことか』と重複する部分もたくさんある。*1『問いかける技術』のほうの本はそれに加えて異なるタイプの質問を分類し(謙虚な問いかけ、診断的な問いかけ、対決的な問いかけ、プロセス指向の問いかけ)、適切な使用法を解説していたりするところが『技術』とタイトルにつけている所以か。*2上司のマインドセットはもちろん大切で、それがない限り『謙虚な問いかけ』などということをしようとは思わないだろうけれども、その上でどういう具体的な問いかけをするのかという用例が豊富でとてもよかった。
また、人間の認知のフレームワークである『ジョハリの窓』、『ORJIモデル』については知らなかった内容なので勉強になる。ORJIモデルというのはObservation, Reactoin, Judgment, Interventionの略。これに関しては別途整理したい。といいつつ、先日『チームが機能するとはどういうことか』を読んだ際に、要復習・整理と書いておきながらそれを怠っていた。やっぱり自分なりのまとめを作らないとなかなか身につかないな。