京極夏彦の『後巷説百物語』を読了。文庫本800ページにものぼる大作だけど、面白くって一気に読み進んだ。相変わらずおもしろい句読点の使い方による不思議なリズム感がたまらない。
緩急が。
句読点によって。
自在に操られているのだ。
なーんてね。この緩急が読み手をドキドキさせたりハラハラさせたりしんみりさせたりにとっても効果的。内容の方も巷説・怪談の体裁を借りつつもその裏にある仕掛けがとても面白い。トリッキーというとちょっと違うけど。人知を超えた怪奇現象ではなく、人の心にひそむ闇こそが怖いんだ。
- 作者: 京極夏彦
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2007/04
- メディア: 文庫
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