柿の種中毒治療日記

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僕のピアノコンチェルト 

(ネタばれ)見始めたのが夜中12時過ぎてたからつまんなかったら寝ちゃおうと思ってたんだけど、最後まで楽しく見てしまった。出だしのところでいきなり子供がセスナを運転して飛んでいくところからもう引き込まれちゃった。主演の子は実際いろんなコンクールで活躍しているピアニストらしく、映画の中の演奏も本物。ぼくはクラシックはそんなに聞かないんだけど、真夜中の飛行機の中でひとり彼の演奏にぞくぞくした。話の本筋のほうはまあまあかなあ。いや、面白いんだけど。
わが子の天才っぷりに過剰なまでの期待をかける母親のリアルな姿や、そのプレッシャーに押しつぶされそうになる少年。そんな主人公を支えるおじいちゃん。このおじいちゃんが淡々と、いいことを言う。そんな心の機微を細かく描いた前半と、大活劇の後半では同じ映画かいなと思うトーンの違いでちょっと戸惑う。
後半は漫画的。天才少年の話だけに、インサイダーの情報を使ってプットオプション購入で大儲け。これインサイダー取引で逮捕されてとんでもない方向に話が進んだらどうしようってハラハラ。さらに父親が勤める会社がアメリカ企業に買収されそうになってそれを逆に株でもうけたお金で自分が買収。天才発明家の父親を追い出そうとした嫌味なボンボン2世経営者は買収者が誰かに気づいて捨て台詞をはいていく。天才なんだからまあそりゃ可能だろう。でもその辺はなんだか現代的・現実的すぎてなんだかちょっとなあ。
そういう漫画的な展開はともかく、トータルとしては面白かった。いつもは飄々としていて、とはいえプットにお金をつぎ込むときはさすがに不安を隠せず、そのくせプットで大儲けしたお金でしれっと巨大なフライトシミュレータやセスナを買っちゃうおじいちゃん。いいなあ。