柿の種中毒治療日記

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Hierarchy

1時帰宅。今日も細かい修正作業に追われた。むー。日本の企業で経理としてはやっていけん。それはともかく、ここしばらく組織のHierarchyー階層構造をひしひしと感じる。
効率的・効果的な組織のあり方の一つの理想としては、下にDelegationとEmpowermentが行われていて階層が少なく、意思決定が早い機動的・自律的で風通しの良い組織だろう。これなら無駄な中間管理職の数も少ないし、無駄な会議や合意形成のためのプロセスも必要ないしね。
しかし完全なフラット構造の組織を作るのはかなり難しい。マネージャーが一人でカバーできる部下の数やタスクの量には限りがあるから、大きな組織を運営して行くためにはある程度の階層構造がどうしても必要となってくる。そして、上のマネージャーが重要な事にフォーカスできるようにするという名目で、下からの情報・提案はHierarchyの階段を一歩一歩上ってそのたびに中間管理職レベルでの判断なりフィルターなりが行われるわけだ。それが一歩間違うと風通しの悪さになる。
本来は組織のリソースを有効に使い、雑事に常にトップの時間を食う事のないようにという目的のもとにこのプロセスはできてるんだろうけど、えてしてこのHierarchyと情報フローという『通常時用』のオペレーションが固定化しがちだ。だから、たとえ事が重大ですぐさま上に上げるべきような件さえも、全ての情報は決められた手順を踏んで上に上げてかないと行けないだとかここは俺のエリアだから口出しするなといった目的を逸した本末転倒な抵抗にあう。
全体像、本来の目的・理想像などみじんも頭にはなく、縄張り意識だったり上からの叱責を恐れ、自分の査定を評価する直属上司の方しか向いてない人たちがけっこういる。これまで僕が働いてきた組織はこじんまりとした組織だったから、入社4−5年程度でプレジデントやディレクターといった自分より3つも4つもポジションが上の人間に対して自分の意見を言う事も可能だったしむしろそれが奨励されていた。ところがどっこい今いる組織はオペレーション組織であり巨大な人数を抱えている事もあってガチガチの階層。日本のうちの会社の組織が全く官僚的に見えないほど官僚的な組織。
反吐が出る、と言ってのけるのは簡単だけど、それは何も生み出さないし、そこにどうチャレンジして行くかこそが問題だ。それは部下育成という視点に置いてもそうだし、自分自身が他のマネージャたちとどう働いて行くかという事にしてもそうだ。組織論の教科書では学べない、人間の心理的なリアクションをうまく考えながら正しいタイミングとやりかたで組織そのものを作り上げて行く良い機会としたい。いつか僕がもっと多くの人の上に立ったときに、今むかついているような言葉を自ら発するような人間にならないように。
救いなのはトップはそれをかえようとしているという事だけど、トップ以下中間管理職がどう変わって行くのか。そこがかわらなければ中間管理職をみている若手も育たない。
負けねえぞー。