アメリカのテレビシリーズNUMB3RSに使われている数学を巡る面白い話がいっぱいつまっている。数学なんて何の役に立つの?という一つの答えの方向になりうるな。といってもそういう疑問を子供が持ったところでこの本をポンと渡すにはちょっと難しいかなあ。NUMB3RSはまだ見ていないのだけれども、とても面白そうだ。こちらの国で買えるDVDには日本語字幕なんてないのがほとんどだから、どこかでDVDでも買って英語の訓練もかねて見てみようかな。
あとがきの山形浩生解説も面白い。ベイズ推定に対して山形さんが持っている違和感は自分の中にあったもやもや感と一致する。ベイズの定理はその昔松原望先生の講義でどうしても実感として理解できなかったのだよなあ。その悔しさがよみがえって来て再び『モンティホール問題』をペンを片手にカリカリ。これは映画『ラスベガスをやっつけろ』でもネタになっているらしい。
プレイヤーは、3つのドアを見せられる。ドアの1つの後ろにはプレイヤーが獲得できる景品があり、一方、他の2つのドアにはヤギ(景品がなく、ハズレであることを意味している)が入っている。ショーのホストは、それぞれのドアの後ろに何があるか知っているのに対し、プレイヤーはドアの後ろの様子はもちろん知らない。
プレイヤーが第1の選択をした後、ホストのモンティは他の2つのドアのうち1つを開け、ヤギを見せる。そしてホストはプレイヤーに、初めの選択のままでよいか、もう1つの閉じているドアに変更するか、どちらかの選択権を提供する。プレイヤーは、選択を変更すべきだろうか?
というやつだ。『替えるべきだ』という直感に反する答えがでてきて、それにどうしても納得できなかったんだけどもよくよく考えてみてようやく納得。実はモンティがどういうルールに基づいてドアを開けているのかというルール次第で『替えるべきだ』ともなるし『替えようが替えまいが確率はかわらない』ともなる。この問題の出し方の場合そのルールが提示されていないから、ちょっとずるいよね。
とまあそんな事はともかく、数学の面白さが伝わってくるいい本。
- 作者: キース・デブリン,ゲーリー・ローデン,山形浩生,守岡桜
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2008/04/11
- メディア: 単行本
- 購入: 19人 クリック: 370回
- この商品を含むブログ (65件) を見る