読み終えてのカタルシスはあんまりない。むしろ喪失感の方が大きいなあ。もう一度会いたい、でも会えない。手の届かない、失われてしまったピュアな気持ち。イノセンス。なんだか宙ぶらりんになった気持ち。
こんな話が映画になってどうしてヒットしたのだろう。小説が面白くないわけではなくって、むしろ小説がとても良いのだけれども、どうもオードリー・ヘップバーンがこれを演じているところが想像できなかったのだ。で、ちょっとググってみたらどうやら原作と映画は全く違う筋のようだ。映画の方は恋物語。でも小説の方は恋愛小説というおもむきはそんなにない。映画版を見た事がないことが幸いしたのか、頭の中で映画と比較したりする事なくただその美しさを楽しめた。もう一度一文一文味わいながら読み直そう。
- 作者: トルーマン・カポーティ,村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/02/29
- メディア: 単行本
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