柿の種中毒治療日記

Kobe→Manila→Guangzhou & Hong Kong→Seoul→Yokohama

大統領選

あまり時事ネタには触れないようにしているのだけれど、アメリカ大統領選の結果はやっぱり記録しておこう。これからどういう方向にアメリカが進んで行くのかはさておき、ひとつのターニングポイントになるんだろう。ぼくが働いているのは米系会社だからアメリカの経済政策によって仕事に直接的な影響を受けるところも多々あるし、個人的に輸出企業の日本株も持っているので貿易政策も気になるところ。自由競争を重んじるブッシュから(アメリカ内部での)公正さを求めるオバマに変わって一体何がどう変わって行くのか。
アメリカが面白いなと思うのは二大政党制のおかげなのか大統領制のおかげなのか、かなりドラスティックな政策がどんどん実施される事だ。たとえば2004年に米政府はHomeland investment actー米国本国投資法という時限立法で米国内への投資を押し進める政策を採用した。アメリカの場合、海外の子会社で生み出された利益は米本国に送金されるまで課税対象にならないという税制度を採用している。米国の連邦税率は35%で世界でも高い方だから*1、グローバルに展開する企業からすれば本国に送金するよりも海外で再投資しつづけた方が税負担が少ない。そんなわけでせっかく米企業が海外で儲けても、それが本国の雇用や冨に直接的にはつながらないという状態だった。で2004年の間のみ、一企業あたり$500millionまでならば通常を上回る本国送金に対してわずか5.25%しか課税しないという時限立法を制定した。そのおかげでその一年間はかなりの金額が米国に還流したようだ*2。こういう機動的かつ戦略的な大英断(失敗すれば暴挙と呼ばれるが)を出来るところはアメリカの一つの強みなのだろう。オバマが大統領になる事によってアメリカのオフショアビジネスに対するポジショニングはどう変わって行くのだろう。興味深い。
というか、日本の税政策ももっと戦略的になれば良いのになあという個人的嘆息であります。

*1:日本はもっと高いけど

*2:うちの会社も同じくで、財務プランがその一年間がらっと変わったそうな