柿の種中毒治療日記

Kobe→Manila→Guangzhou & Hong Kong→Seoul→Yokohama

腐敗警官

先週土曜日に初めて交通違反で警察に止められたので、ドライバーのロデルは半日かけて警察へ罰金を払いに。免許証を取り上げられていて、いろいろな処理に半日かかるという面倒なプロセスだ。ちなみに罰金は500ペソ。こちらの収入水準からすると結構高い。
しかしそもそもどうして交通違反をとられたのかさっぱり分からない。ロデルはプロのドライバーだからこのあたりの道や交通ルールは熟知している。信号のないT字路を右折したのだけれど、そこの交差点で右折は禁止だというのが警官の理屈。でも右折禁止の看板も出ていなかったし、そのT字路の先は一方通行で左折しては道を逆走してしまう。T字路だから当然直進もできないし、右折以外しようがない。いったいどうしろってんだ。どうやらロデルの仕事仲間のドライバーたちもけっこうその土曜日にそこでつかまったらしい。
というような話を会社でしていたら、実はどうやら交通警官が賄賂を取るために張っていた罠みたいなもんなんだそうな。免許証を取り上げられた上に半日かけて警察に行くのは面倒だから、大概の場合そこで袖の下を渡すらしい。袖の下の相場は500ペソ。罰金と同じだから、面倒を避けて袖の下を渡す人が多いんだそうな。昼食代が100ペソもしないこの国で、かなりの額の袖の下である。一人のチームメンバーに至っては警官に『財布を見せろ』といわれ、有り金全部持っていかれたこともあるらしい。だから財布の中にはあまり現金を入れないんだって。財布にお金を入れないのは犯罪者対策だけでなく腐敗警官対策でもあるんだそうな。ていうか警官と犯罪者が紙一重だという話は聞いていたけれど、参っちゃうね。
そんな中ひとつ良いなと思うのはそれに対処するロデルの姿勢。賄賂を渡せば楽なのは分かっているけれど、賄賂を渡すのはポリシーに合わないから警察に行く方を選んだんだって。普段優しそうに見える彼の気骨を見た感じ。信頼できるなあ。