午後はとても久しぶりに頭痛に苦しんだ。ここしばらくの疲れが出たのか、それともハリー・ポッターを一気に読んだせいなのか。なんだかハリー・ポッターを読んだ後ってたいがい頭痛が出る気がする。なぜだろう。相性がとにかく悪いのだ。頭痛薬を飲んで横になる。でもそとの工事の騒音と振動が頭に、体に響く。誰をというわけでもなく、状況を呪いたくなってくる。
夕方6時過ぎにようやく頭痛が軽くなったので少し散歩に出た。ざわめく街中はきらいではない。工事の騒音と比べたらまるで歌みたいだ。コーヒーショップに入って、小野リサのボサノバが流れている店内でブレンドコーヒーをゆっくり飲みながらブローティガンの『東京日記』をめくる。1976年の東京。ぼくがまだ生まれる前、ちょうど一年前の東京。唇を動かしながら一頁ずつ大切にめくっていく。言葉と音楽と熱いコーヒーが体の中に染み込んで来て、さっきまでの頭痛と呪いたくなる気持ちが嘘のようにほぐれていく。マニラの夕方、午後7時。ブローティガンが異国の土地で感じていた気持ちが、なんだかちょっと分かる気がする。
- 作者: リチャードブローティガン,Richard Brautigan,福間健二
- 出版社/メーカー: 思潮社
- 発売日: 1992/08
- メディア: 単行本
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