柿の種中毒治療日記

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選挙で大量殺人?

家に帰ってニュースを見たら驚きのニュース。フィリピン・ミンダナオ島にて選挙戦をめぐって多くの人が殺害されたらしい。ミンダナオ島というのはイスラム・モロ解放戦線によるテロや誘拐事件も多く、フィリピンでも最も危ない島なのだけれども、そういうこともあるだろうとはさすがに言えないレベルの話だ。来る知事選のため立候補届けを出しに向かった50人のグループ(うち34人はジャーナリスト。その他は候補者の奥さんや親族、支援者)が誘拐され大量に殺害されたとのことだ。Philippines inquirerというこちらの新聞のウェブサイトを見てみるとすでに35人の殺害が確認されている模様。その中には候補者の奥さんも含まれている。正確な人数はいまだに定まっておらず、35人殺害とも21人殺害とも言われている。どうやら情報が錯綜しているようだ。
選挙が近づくと選挙戦の資金目的での誘拐が増えるという笑えない話を前に書いたけれど、選挙戦で大量殺害事件とかやばすぎる。50人を一気に拉致とかいったいどうなってるのかと思ってinquirerを読んでみたら、なんと50人で向かう車列を100人の武装集団が取り囲み拉致したらしい。100人。100人の武装集団とかって近代法治国家で許されるレベルの話じゃないな。どうやら対立候補が首謀者らしい。マギンダナオ州では一族で政治的主要ポストを占める非民主的な政治形態が普通らしく、その分政争がこれだけ大事にも発展するようだ。日本で激しい選挙戦で有名な徳之島の政争の比ではない。このあとどう取り調べが進んで行くのか。これだけ殺しておいてうやむやとかだったらひどい話だけれども、マギンダナオ州って国軍の力も大して及ばないイスラム自治区だからうやむやになるんだろうなあ。と同時にCNNによると関連を疑われている現職州知事陣営はアロヨ大統領と長いこと同盟関係にあるらしい。国軍の力は及ばないけれど、そこの州知事と大統領は仲がいい?いったいどうなってるんだこの国は。マニラはそこまで非民主的ではないと信じたい。

ミンダナオ島で21人殺害、知事選めぐる政争?
11月23日20時7分配信 読売新聞
 【マニラ=稲垣収一】フィリピン国軍によると、同国南部ミンダナオ島マギンダナオ州で23日、地元政治家の家族や地元紙記者ら少なくとも21人が、首を切断されるなどして殺害されているのが見つかった。
 国軍は、来年5月の州知事選をめぐる政争が事件に発展したとみている。
 地元報道によると、現職州知事一族のライバル候補である政治家の家族ら約50人が同日朝、本人に代わって州知事選への立候補を届け出ようとしたところ、州知事の私兵とみられる武装集団に拉致された。半数以上は同行取材中の記者で、射殺体や車にひき殺された遺体もあったという。
 この政治家側は、州知事陣営から「立候補すれば殺す」と脅されたとされ、武装集団が拉致した家族らに対し、立候補取りやめを要求した、との情報もある。
 地方首長選は、大統領選と同日で実施予定。選挙前には毎回、対立陣営同士の殺人事件が多発している。