インプット増大計画第二弾。小泉内閣のもと、ダイエーやカネボウなど多くの企業の企業再生の過程を描いたノンフィクション。公的機関である産業再生機構が民間よりもはるかに市場原理に基づいた「民」の立場から企業再生に取り組んだ記録だ。リーマンショック以降再び低迷する景況感が海外在住の身にはよくわからないし、いま現時点でどう評価されているのかは興味深いところだけれども*1、私利や省益を優先しようとする政治家/官僚機構の圧力に屈せずに、信じるところをぐいぐいと貫いていった産業再生機構のプロフェッショナルたちの姿は熱い。
それを貫くには熱さだけでなく、彼らのプロフェッショナルとしての能力の高さももちろん必須条件だ。あらためて自分のプロフェッショナルとしての価値を省みる。ここに出てくるプロフェッショナルたちはほとんど弁護士・公認会計士といった専門職か、もしくはインベストメント・バンカーかコンサルタントだ。ぼくはそういったキャリアは選ばず、事業会社で働いているからベクトルは異なる。でも少なくとも自分が最大限のスピードで目指す方向に向けて成長し続けていられるよう努力していきたい。
産業再生機構のCOOを努めた冨山さんもCOOの立場からこの4年間の仕事を振り返る本を書いている。以前読んだのだけれども、少し記憶が曖昧になって来ているので再読したい。
企業復活 「日の丸ファンド」はこうして日本をよみがえらせた (講談社BIZ)
- 作者: 小野展克
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/03/27
- メディア: 単行本
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