柿の種中毒治療日記

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カンレキワイ

まだ小さい時、たぶんあれは祖父が60になった時なのだろう、『カンレキワイ』という言葉を聞いて、なんだか日本語らしくなくってどこか外国の言葉のような、面白い響きの言葉のお祝いがあるのだなあと思ってた。その後それが『還暦祝い』というものだと知ってからも、自分の中ではそれはいまだに『カンレキワイ』だ。
今日たまたまスカイプを付けていて日本にいる父と話をしていたら、今日で父が還暦を迎えたことを知らされた。そういえば今日は1月11日、父の誕生日だ。父は教師で、民間企業と違って60の誕生日で退職というわけではないそうだ。3月まで学期は続くからね。それにしたってひとつの大きな節目だ。
祖父が60になったときに覚えた言葉が、いま自分の父親に当てはまるのというのは少し不思議な気分だ。その分みんな年を取った。先日母と妹がフィリピンを訪ねて来てくれた時に、ずいぶん昔の写真を持って来てくれたのだ。昔の写真の中に映る父はいまのぼくの弟とすごく似ている。実際にはもちろん逆の話で、ぼくの弟が父に似て来たということだけれども。ぼくの顔もずいぶん変わった。その分大人になったってことかな。
写真を撮るというのはおもしろい。古い写真だけでなく、孫を抱えて賑やかにしている今の家族の写真も何枚も持って来てくれた。これまたべつに芸術的でもなんでもない写真だけれども、みんなの笑顔がいい。

写真を見て、レンズにカビのはえた古くて壊れたカメラをもらって得意げにしていたことを思い出した。フィルムも入っていないのに、ファインダーを覗き込んでシャッターを押して遊んだ。どうやらカメラ好きはそのときからのようだ。これからも色々な瞬間を写真に収めたいなと思った。