柿の種中毒治療日記

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中島敦

たまたま図書館でちくま日本文学全集を見つけて、たまには古典も悪くないと手に取ってみた。新潮文庫の『李陵・山月記』は持っていて、たまに山月記を読むことがあるのだけれど、新潮文庫の方には4つの作品がおさめられているだけなので15編がおさめられているこのちくま文庫で新しい中島敦と出会うことが出来た。
中島敦というと中国の古典を基にした格調のある漢文調の作品しか知らなかったのだけれども、彼がパラオに勤務していたときの作品も味があって、かつ昔日本が南方を占領していた時にであった人々との文化の違いとそれに対する中島敦の目線がかいま見れて面白い。いまぼくがフィリピンに暮らしていることもあるかもしれないね。悟浄出世・悟浄歎異という西遊記の沙悟浄を主人公にした二編の物語は特に面白かった。

中島敦 (ちくま日本文学 12)

中島敦 (ちくま日本文学 12)