立花隆の対談集、『生、死、神秘体験』を読了。こないだから『スローターハウス5』や東野圭吾の『秘密』、中島敦の作品に刺激を受けて、人の死とはどこで定まるのだろうかと考えていたところ、なんと言う偶然。日本人図書館でわずか10ペソで投げ売りされていたのにビビっと来て手に取った。神秘体験という言葉にうさんくささを感じていたけれど、なかなかどうして。脳死の問題や臓器移植、細胞の発生と分化など生物学的な側面だけでなく、人の死をどこでとらえるべきかと言う哲学的・文化的な問いを様々な人たちと議論する対談集。とても面白い。10ペソでこんな本が読めてとてもラッキーだ。
臨死体験というものがいまや科学の土俵に乗って『ひとはどこで死ぬのか』を学ぶ研究対象となっているというのは興味深い。死後の世界の存在の有無はさておき(ぼくは信じていない)、臨死体験者にインタビューをして回ることで著者の死に対する恐怖が薄れた、という言葉が印象的だった。
- 作者: 立花隆
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/05/15
- メディア: 単行本
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