柿の種中毒治療日記

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意識的にスイッチを切ることについて

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二週間完全休養を終えて久しぶりの出社。会社に向かう車の中で、心臓が高鳴り血圧がどんどん上がっていく感じがした。二週間リラックスした環境に身を置いていたから、久しぶりの感覚である。普段は慣れちゃっていてあまり感じないけれど、仕事ってとても強いストレス源なんだなと再認識。

生理学的に言うと、ストレス反応は必ずしも悪者ではない。典型的なストレス源として、『身に迫る危険』がある。敵に出くわしたら、急いで防御・逃避・攻撃といったアクションをとらなければいけない。ストレスに反応してアドレナリンが分泌され、心拍数があがり、血圧が上がり、筋肉の収縮反応が起こることでそういった行動を可能にする。ストレスに対する身体反応がなければ危機を回避できず、天敵に食べられるがままになってしまうだろう。

現代の多くの人々にとって問題なのはそのストレスが長時間持続することだ。人間だって動物である。動物としての人間は限られた時間のストレスに対応するようには出来ていても、高い緊張状態が持続することに対応するようには出来ていない。危機が起きたら瞬間的に対応するか、もしくは対応できずに死んでしまうかのどちらかだ。野生のウサギがライオンの前でストレスに耐えながら毎日八時間座っているなんてありえない。

ところが、そういうことが起きてしまうのが現代のストレス社会。そんな環境で長期的にパフォーマンスを維持するためには、こまめにかつ意識的にストレス源から自分を切り離し、リフレッシュすることが鍵となる。世の中には有給をとらないことを美徳とする考え方もあるようだけれども、休暇は長期的には人々のパフォーマンスを最適化させるための良い投資だと感じる。疲れ果てた人を長く働かせるよりも、エネルギーとインスピレーションあふれる人たちを限定された時間働かせた方が成果はよっぽど高かろう*1。というわけで、自分の有給および部下の有給はすべて消化させようと思った次第。*2

*1:そのあたり、このたび参議院議員になられ、『真剣に働いていれば昼食休憩など取れようはずがない』との旨のことをおっしゃっている某外食企業会長の考えを聞いてみたいものだ

*2:なお二週間完全に何もしなかった訳ではなく、何回かメールをチェックして必要な物には返信をしておいたのだけれども、自分がいなくたって別に日々の業務には大して支障がないというのも改めて実感。というか、ひとり管理職が休暇を取っただけで仕事が回らなくなるようならそもそもの仕事・職責のデザインが間違っているよね。