タイトルに偽りありで、人目を引くためにかなり大袈裟な表現になっているけれども、内容は意外とまとも。コンサルタントによるコンサル批判というわけではない。少し極端な主張だなと思うところはあれど、なるほどと思うところも多々あり。
- たてた戦略そのものが重要なのではなく、戦略をたてる過程での組織の能力向上が重要。一年に一回、数年に一回の頻度で立てた戦略は外部環境の変化によって無用の長物になることがしばしばある。しかし、戦略立案を通じて組織のメンバーが問題を定義し、仮説を立てて対策を練る能力を養うことが肝要であり、当初の戦略が使えなくなったとしても能力を持った人々がいれば臨機応変に対応できる。
- 業務プロセスがうまくいかない最大の問題はおそらく不信。戦略そのものの有効性以上に、組織内・組織間のコミュニケーションを促進することにより問題が解決されることが多い。職場内の活発な意見交換を可能にするオフィシャル・アンオフィシャルな環境をどう作っていくか。
- 財務中心のマネジメントが主流のアメリカ企業で、「戦略計画をLiving Document」にすることにかまけて肝心の業務をおろそかにしてしまう。
戦略スタッフ部門の人間としては耳が痛いところも多々あるけれど、率直に耳を傾けたい言葉が多々。
- 作者: カレン・フェラン
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2014/08/22
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