柿の種中毒治療日記

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鹿の王

月曜日。昔、マーフィーの法則だかなんだかというのがあったけれども、それにたがわず昨日35000ウォンもはらって手でピカピカに洗車してもらったばかりだというのにオフィスを出たら大雨だった。とほほ。

実際には土曜日の時点で、今週雨が降るかもしれないという予報自体は知っていたのだ。それでも先々週と雨が降った後にも洗車に行く暇がなく、車が土埃でドロドロだったのに我慢がならず、雨になるリスクを承知で洗車に持っていったのだった。でも面白いもので、そんなふうに理屈をつけて正当化した背景はさっぱり忘れてしまって、事実として唯一眼前に残る水滴だらけの車を見てやはりがっかりしている自分がいるのが興味深い。意思決定って往々にしてこんなものかもしれないけれど。

家に帰って『鹿の王』を読み終えた。昨日3時間半ばかりかけて途中まで読んでいたので、今日はのこりをじっくり1時間少しかけて読了。ウイルスや免疫システムという小道具が自分の学生時代の専攻に近く非常に馴染み深いものだったので、その辺のテクニカルな新しさはなかったのだけれども、それを補って余りある人間模様と人々の駆け引き、二転三転するストーリーがなかなか面白かった。征服者と被征服民族のかかわりや、被征服民族の内部での政治的駆け引きもかなり面白い。本屋大賞受賞もうなずける。といいつつ、できれば全5巻ぐらいの大叙事詩にしてよりいろいろな登場人物の背景、心理や政治的立ち位置を細かく描いてもらえていればもっと面白かったのだけれども。

昔だったら夜を徹して昨日のうちに一気に読了といってたのだろうけれど、そこまでできなくなったのは体力のせいなのか、それとも分別がついてきたからなのか。*1

*1:最後に面白くて眠れずに読み通したのはケン・フォレットの大聖堂だったか、それとも『アラビアの夜の種族』だったか...