柿の種中毒治療日記

Kobe→Manila→Guangzhou & Hong Kong→Seoul→Yokohama

日曜日。息子の水泳教室を待つ間、Audibleで吉田修一さんの『路』を聴き終わった。

1999年に台湾新幹線の着工が決まり、そこから2007年開業までの物語。台湾で働く日本人商社員多田春香。日本に留学し、日本で働く台湾人男性劉人豪。台湾生まれで終戦とともに日本に「戻って」来た葉山勝一郎。戦前の国籍は日本だったけれども、終戦とともに『台湾人』に戻った中野赳夫こと呂燿宗。台湾で生まれ、台湾で生きる人々。色々なバックグラウンドを持った人たちの織りなす物語がとても面白い。

そういえば台湾を最後に訪れたのは2012年のことだった。2012年の1週間の台湾旅行の日記を見つけて、その7日間に行った場所や食べたものを思い出しながら読んだ。バイクが駆け回る台湾の街の雑踏、夜市の賑わい、故宮博物館の文物、宜蘭の空気の匂い、食べ歩いた色々なお店の小籠包。もうあれから9年も経つのかと思うとなんだか少し感慨深い。写真に映る娘の後ろ姿はまだとても小さくて、9年も経てば娘もそりゃあ大きくなるわけだと思う。そういう台湾の匂いや熱気を感じる楽しい物語だった。

いつかまた家族で台湾に行きたいな。その時には前回は乗らなかった台湾新幹線に乗って、高雄にも足を運んでみたい。

kakinotane177.hatenablog.com

恋愛小説になるのかと思いきや、そうはならないところで少しやきもきしたりするけれど、実際のところ人生ってそういうものかもしれない。愛する街で住むことを選ぶっていいなと思う。