柿の種中毒治療日記

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ドライブ・マイ・カー

アカデミー賞で話題になっていた『ドライブ・マイ・カー』を見た。

3時間という長い上映時間に尻込みしていたのだけれど、はじまってみたら引き込まれてしまってあっという間にエンディング。

原作はずいぶん前に読んでいてあらすじは知っていたのだけど、映画で大事なのは筋やストーリーだけではないなと改めて実感。

俳優の皆さんの声や表情、仕草のひとつひとつ。劇中のチェーホフの舞台。SAABのエンジン音。車窓を流れる景色すべてがとても美しかった。SAAB 9-3に憧れていたことも思い出しました。

妻を喪った男、母を喪った女、舞台から去っていく男。彼らの言葉や表情から伝わってくるものが確かにそこにある。感想を言語化するのがとにかく難しくて、なんとも月並みな表現にしかならないのだけど深い余韻が残る素晴らしい時間だった。『テキストを信頼して』という言葉が出てくる映画だし、なんとか自分でも今の気持ちをテキストにしたいとは思うのだけど。

一人の家で、部屋を真っ暗にして大きめの音で見たので少し映画館気分だったけど、やっぱり映画は映画館でみたいな。