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柿の種中毒治療日記

Kobe→Manila→Guangzhou & Hong Kong→Seoul

仮説・分析・立案・実行

2011年の仕事納め。今日も3時間かけて事業部長との会議。数ヶ月前に上市したプロジェクトの進捗レビューと、次なる打ち手についてだ。中国では旧暦の正月を大きく祝うため、12月末にはあまり年末感がなかったのだけれども、一年の仕事を振り返って成功を確認し、さらに前向きに締めくくれて大きな達成感。

ちょうど一年前の12月が端緒だった。ふと浮かび上がって来た疑問と、その後3日間の集中的な仕事で全ては始まった。僕の働く事業部では僕が着任する数年前に大失敗をして、その後事業部内でアンタッチャブルになっていた事案があった。そこで本当のところ何がまずかったのか・何が起きたのかと過去数年分の色々なデータを眺めていたところ、多くの人々が信じていたこととまるでちがうデータを発見したのだ。その夜は頭の中から次々に色々な仮説とそれらの検証のためのアイディアが湧いてきて興奮して眠れなかった。翌日は深夜まで部下のSさんとデータを検証し、いくつかの過去の事実の誤認と本当の問題点を発見。急いでプレゼンテーションを作り上げた。その翌日朝からの会議の前に10分で上司に説明し、了承を得て経営陣に提案したのがちょうど1年前の12月。
最初に結論を見た瞬間に『そんなことできるわけない』と否定的だった人たちも、鍵となるデータをみせることでしだいに納得してくれた。クロス・ファンクションのプロジェクトメンバーをアサインしてもらい、さらにデータを細かく検証し、イシュー別に解決策を練り上げた。不確実性にどう対処するのかリアルオプション分析をし、その対策案も描いた。その後ステークホルダーとの度重なる会議を重ね、細かいところまで実行プランをつめ、ようやくプロジェクトを上市したのだ。この間プロジェクトメンバーに恵まれたのが何より良かった。特にマーケターのVさんは経営感覚・戦略策定・実行にいたる細かなプランニングと多岐にわたって超優秀で、彼とのやりとりはとにかく楽しかったし勉強にもなった。上司のLさんと部下のSさんとの議論もすばらしくエキサイティングだった。
そんなプランに自信はあったけれども、当初反対派がほとんどだっただけに結果が出るまでかなり不安もあった。でも毎月設定した目標を上回り続け、まずは成功と言って良いフェイズにまで来れた*1。正直なところ10年近く同じ会社で働いて少し飽きてきたところがあったのだけれども、結果がどんどん出て来てビジネスがどんどん上向きになっていくのを肌身で感じる達成感は格別だし、飽きたなんてとんでもないなんて気分になる。

また直近のデータを加え、より細かいセグメント別に関係因子間の決定木分析をしたところ新たな機会も発見できた。今日はその話を事業部長と詰め、大枠で次のプランの合意にまで至った。これがさらにどれだけ大きな話になるかと思うとこれまたエキサイティングだ。でも勝って兜の緒を締めよ。前回はぼくとぼくの上司・部下以外みんなが反対から始まったから、逆にあらゆる角度から検証されたプランを策定できた。でも二匹目の泥鰌を狙って軽い気持ちで繰り返してはしっぺ返しが待っているかもしれない。そういう心理的な綾をどうやって捌いて行くのか、それもまたワクワクする。
今年はこのプロジェクトだけではない。新しいデータベースを作ってそのデータをもとにある戦略を大幅に変更したり、顧客別プロフィット・ゾーン分析を行って投資先を変えたり、Value Stream mappingをやって徹底的にコストカットをした結果もどんどんでてきた。仮説をもとにデータを検証したり、逆にデータ・マイニングによって新しい仮説を構築したり、この一年間はとことんデータ漬けで、自分の分析・戦略立案能力を相当に鍛え上げられた良い一年だったと思う。こういう仕事をどんどんやって行きたいし、もっと自分の能力を高めたい。まずはこれから1月3日まで、さらに統計の勉強をできるだけ纏めてやりたいな。
この二冊はとてもインスピレーショナルだった本。本そのものも面白いけれど、そういうことを仕事でできるのは楽しい。

その数学が戦略を決める

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イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

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*1:自分の人件費の数百倍の利益を叩き出せて正直にとても嬉しい