ものすごく面白い本。『大聖堂』も面白かったけれども、それを上回る面白さかも。あまりの面白さに上中下巻と一気に読了。最近かなり面白い本にあたる頻度が高くてとても幸せだ。
アラビアンナイトに夢中になったのはいつのことだったろう。子供の頃に夢中だったアラビアの物語が、3冊にわたるめくるめく奇譚としてよみがえる。千一夜物語を思わせる、『夜の種族』である語り部ズームルッドによって語られるエキゾチックで絢爛豪華なアラビアの世界。千年を超えるロマンと冒険。過剰なまでの修辞もズームルッドによって語られる『物語』をその場で聞いているような魅力に転じる。これ以上書いてはまだ読んでいない人の楽しみを奪うってもんだ。これぞファンタジー。
- 作者: 古川日出男
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