柿の種中毒治療日記

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「普通がいい」という病

週末、『「普通がいい」という病』を読了。とても、とても面白い本だった。「普通は〜〜〜」というのは良く出てきがちな言葉かもしれない。でも「普通」っていったいなんだろう?

近代以降の社会は、確かにそういうふうに正常と異常を分けて考えてきたけれども、元々は境目のない、連続したものである

自分の生きている常識の世界からちょっとでも逸脱したもの、コントロールのきかないものはみんな病気とされてしまう


「普通は」という見方を外してみることで、いろいろあらたな気付きがある。自分自身として、夫として、父親として、息子として、上司として、部下として、同僚として、友人として、などなど日々色々な役割を負って過ごしている訳だけれども、いろんな場面で参考になる。Kindleで気になる言葉を片っ端からマークして行ったら、とんでもない量のメモになってしまった。

10代の終わり、なだいなださんの「くるいきちがい考」を読んで、目から鱗だったことを思い出した。あの本も、常識とはなにか、正常・異常を区切る物は何なのかといったことをとてもわかりやすく説明してくれた本だった。あれを読んで、自分は自分の道を行けばいいんだと思えたことが今に繋がっている。*1

そして20代後半からこれまで、なにか行き詰まりを感じた時には河合隼雄さんの本をいつも読み返していた。これからはこの本もまたぺらぺらとめくりたい。そのためにはKindleではなくって、現物の本を買おうと久しぶりに思った次第。

「普通がいい」という病 (講談社現代新書)

「普通がいい」という病 (講談社現代新書)

くるいきちがい考 (ちくま文庫)

くるいきちがい考 (ちくま文庫)

こころの処方箋

こころの処方箋

*1:またもう一度読みたいなと思ったのだけれども、どうやら絶版になっているみたい。