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柿の種中毒治療日記

Kobe→Manila→Guangzhou & Hong Kong→Seoul

マネーボール

Book Business Statistics

「競争優位を得るためには、もはや統計解析が不可欠になった。優秀な人材が野球界にどんどん集まり、データ分析に関する部門は拡大を続けている」

貧乏球団オークランド・アスレチックス。リーグ内でも最低レベルの選手年俸総額にもかかわらず、アスレチックスをプレーオフの常連に立て直したGMと参謀・選手たちの物語。といっても超人的ヒーローが出てくる話ではない。セイバーメトリクスという統計解析を導入し、打率や打点・盗塁数のようなそれまで重視されて来た指標ではなく、出塁率長打率・一打席あたりの投球数を重視したチーム編成によってチームを立て直したのだ。伝統的な直感に頼るスカウトや球界関係者からは『欠陥品を集めている』と馬鹿にされるような、しかしそれでいて実は理にかなった選手を安価で雇い、勝利を積み重ねて行く。見た目に派手なヒーロー選手の集団ではないから一見地味だけれども、とてもエキサイティングだ。どういった統計手法を用いたのかというようなマニアックなところにはそこまで触れていないのが少し残念だけれども、それを差し引いてもとても面白い。
この本が出たときにはそういった手法を使うのは異端で、周りに散々たたかれていた。その分アスレチックスは他のチームを出し抜いて勝ちを積み重ねていけたのだけれども、今ではがらっと様変わりしメジャーリーグではほぼあらゆるチームがデータを活用して戦っているらしい。

「資金力があり、優秀な人材も多いボストン・レッドソックスはこの分野で先端を走っているし、ニューヨーク・ヤンキースは21人もの統計学者を抱え込んでいる」

そうなってくるとふたたび貧乏球団アスレチックスは辛い戦いを強いられる。それもまた現実。この本の中でデータを使って金持ち球団ヤンキースに挑むアスレチックスをダビデとゴリアテに例えている。でもゴリアテがその手法を身につければそりゃあ最強だ。翻って自分たちの仕事のことを考える。ぼくの働いている会社は一般にはかなりデータ重視主義だと思われているけれど、まだまだ活用の余地はある。ぼくはデータが大好きで、だから今の会社のこの仕事を選んだのだという10数年前の気持ちを思い出した。

マネー・ボール (RHブックス・プラス)

マネー・ボール (RHブックス・プラス)


著者とアスレチックスGMが語った「マネーボール」への情熱 (1/2) - ITmedia エンタープライズ
http://wired.jp/2011/11/11/データ革命が欧州サッカーを「野球化」する_1/