柿の種中毒治療日記

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ロング・グッドバイ

レイモンド・チャンドラーロング・グッドバイをようやく読み終えた。僕にとって初めてのチャンドラー作品だ。レイモンド・チャンドラーといえばフィリップ・マーロウフィリップ・マーロウといえば『強くなければ生きていけない。優しくなくては生きていく資格がない』という名言で知られるハードボイルド。高校生くらいの時に大沢在昌のハードボイルド小説をかなり読んでたんだけど、レイモンド・チャンドラーまではいきつかなかった。そのあとハードボイルド小説のおきまりの"ハードボイルドっぽさ”とか皮肉な見方をすると薄っぺらいダンディズムに飽きたのか、あんまりこのジャンルには手を出さないでいた。
で、今回村上春樹訳が出ていたというそれだけの理由でこの本を手に取ってみたんだけど、これが面白い。キャラクターの魅力、そうくるかというストーリーの面白さもさることながら、文体と話の構成の仕方がとても素敵だ。あとがきで村上春樹が解説しているように、まさにチャンドラーは『寄り道の達人、細部の達人』。脇役たちの描写や何気ない一シーンを切り取る視点がとても面白く、リズム感があっていい。一読だけではもったいない。何度も読み返したくなる。巻末の訳者あとがきも40頁をこえる大作であとがき自体も面白い。ロング・グッドバイグレート・ギャツビーの類似性というのが興味深い。せっかくの休みだし、グレート・ギャツビーも読み直そう。
ところで奥付を見てみてビックリ。2007年3月10日に初版発行で2007年3月15日に第6版発行。すごいペースで増刷したって事かな。すごいね。

ロング・グッドバイ

ロング・グッドバイ