柿の種中毒治療日記

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西瓜糖の日々

これまたブローティガンの小説、『西瓜糖の日々』をよみおわった。多くのものが西瓜からとった糖によって作られている、iDEATHというコミューンで暮らす人々の、静かなものがたり。でも、これをpeacefulといっていいのかどうか戸惑う。むしろ<忘れられた世界>に惹かれて破滅への道をたどるインボイルやマーガレットのほうが人間くさいような気もする。村上春樹の『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』の「世界の終わり」の雰囲気に通じる緩慢な死のにおい。すてきなことばで紡がれる幻想的な世界観にどっぷりとつかって楽しめた。

西瓜糖の日々 (河出文庫)

西瓜糖の日々 (河出文庫)