柿の種中毒治療日記

Kobe→Manila→Guangzhou & Hong Kong→Seoul→Yokohama

サヨナラ、ソウル

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火曜日。昨日1日かけて運び出してがらんどうになった部屋で朝を迎えた。これまで3年間お世話になった部屋をきれいに掃除して、大家と不動産業者の立会いのもと傷などがないかのチェック。携帯電話やケーブルテレビも解約。そのあと昼過ぎの飛行機に乗って日本へと向かう。サヨナラ、ソウル。ありがとう、ソウル。9年間の海外での生活に一旦ピリオドを打って、新しい人生の始まりだ。

韓国の運転免許証を入手しました

午前中会社を休んで、韓国の運転免許証を入手する手続き。日本-韓国間では協定が結ばれていて、日本の免許を持っていれば簡単な手続きで韓国の運転免許証を手にいれられるらしい。

朝一番。9時半の業務開始を待って大使館領事部で日本の免許証を提示して証明書を発行してもらった。その足でソウルグローバルセンターへ。ここで書類を記入して、今度は道を挟んだところにある病院で視力検査と簡単な身体機能検査。そして再びソウルグローバルセンターへ戻って、韓国の運転免許証を入手。驚いたことに朝9時半の領事部の窓口から全ての工程が終わるまでわずか2時間半ほど。かなり急いで移動したのもあるけれど、手続き自体もすごい速さ。特にソウルグローバルセンターの係の女性の手際の良さには驚いた。

ソウルグローバルセンターではいろいろな言語に対応したサービスを受けることができる。ぼくが日本以外の国で暮らすのは4ヶ国目だけれど、外国人に対するこれほどのサービスはいままでどこにもなかった。中国ではこういった書類仕事は一週間から二週間のリードタイムが必要なこともざらだったしね。韓国では国を挙げて、FTAをはじめとしたいろいろなアクションを通じてグローバル化していこうとしていると聞いていたけれども、こんなところにも外国の人たちを受け入れることに対する確固たるコミットメントを感じるね。

夕方、オフィスに車のディーラーさんに来てもらって、契約のサインと頭金の支払い。先週末以来一気にコトが進んだ。

ディーラー巡り

日曜日。昼過ぎにアプクジョンに出向いて、いろいろな自動車会社のショールームを回ってきた。韓国ではレストランやコンビニなどでは英語や日本語を話せる人がたくさんいるのだけれども、車のディーラーではほぼ韓国語しか通じない。外国人旅行客が多いところにはそういうスキルが求められるけれど、外国人で車を買おうって人はそんなにいないという話かな。

幸い自動車が大好きな部下のSさんが付き合ってくれたので、コミュニケーションには問題無し。しかも彼は値引き交渉がとてもうまい。あっちのディーラー、こっちのディーラーでより良い条件を引き出してくれる。年末商戦ということもあって、次々に提示される好条件。結局午後いっぱいかけて5社のショールームを回り、4台に試乗。まだ免許証を韓国のものに切り替えていないのでぼくは助手席に乗っていただけなのだけれども、とても楽しく色んな車の乗り心地を楽しんだ。

中国生活中は会社がリース契約している運転手付きのオデッセイに乗っていたので、この4年間は自分の車に乗っていたという感じがしない。さらにその前のフィリピン時代には、CRVを自分で購入したもののやはり運転手さんを雇っていたので「自家用車」感覚には乏しい。そういう意味では日本を出て以来はじめて自分が運転する車。楽しみ。

メンタリング

土曜日。休日返上で受けたクロスカルチャートレーニング二日目も無事終了。今日のアジェンダの一つにSkypeで韓国のビジネス経験豊富な方のコーチングを受けるというものがあった。これがとても良かった。アメリカ人ながら韓国の大企業のCEOを務め、いまはセミリタイアながらコーチングをやっていらっしゃるという方。とても直截的な人で、彼の経験をもとに1.5時間みっちりと会話。自分の働く会社の外で、かつCEOという僕の仕事よりはるかに視野の広い仕事をされ、しかも経験豊富な人にメンタリングしてもらうというのはすごい学びがあるな。ぼくはどちらかというと自分一人でやろうとしがちだけれども、大いに反省。夜は久しぶりに友人Kと1時間以上ライン電話でいろいろな話をした。これもまたひとつのメンタリングの形かな。

クロス・カルチャー・トレーニング

金曜日。今日・明日は家に講師を迎えて妻と二人で駐在員用クロス・カルチャー・トレーニングを受ける。朝の9時から夕方5時までみっちり、韓国の歴史や文化、ビジネスマナー、異文化マネジメントなどを学んだ。これまでいろいろな国を転々としてきた割りに、実はこういうトレーニングを受けるのは初めて。忙しいのを言い訳にせずせっかくなので受けてみるかとやってみたのだけれども、期待値をはるかに上回る数々の学び。これまでもトレーニングなしにサバイブはしてこれたけれど、こういうのを受けておけばより効果的に働けたのかなとも思う。とはいえ過ぎ去ったことはすべてサンクコスト。今回の学びをどんどん生かしていきたい。

ソウルのネット環境

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水曜日。三日ぶりに晴れた。職場では夕方Movie nightなるものが催され、Money Ballを見た。小説もあわせると三回目だけれども、やっぱり面白い。『これはアンフェアなゲームなんだ』という言葉は心に留めておこう。資金力の差があるのに、同じように戦おうとしたって勝ち目はない。

さて、新居に越してはきたものの、テレビをまだ買っていないのでテレビ台の上にはiMacがかわりに置かれている。これが思った以上に便利。YouTubeをみたり、iTunes matchでクラウドに保存した曲をランダムで途切れなり流したり。中国生活中の4年間、ネット環境はさほど速くなかったし、そもそもYouTubeへのアクセスは遮断されていた*1。けれどもソウルは全く違う。ブログをアップデートしていて、写真をアップロードするのも爆速。どのぐらい速いのかなと思ってスピードネットを使ってみたら、なんと上りも下りもどちらも90mbps近い。こりゃすごいや。

2008年、フィリピンに引っ越した時のADSL回線はダウンロード1.5Mbpsだったのも懐かしいや。

*1:VPNを使ってそれを回避することは技術的には可能だったけれど、VPNを介すとさらにスピードが遅くなってYouTubeを見るのは現実的ではなかった

中国からの引っ越しでとんだ目にあった件の追記

先日の『中国からの引っ越しでとんだ目にあった - 柿の種中毒治療日記』という日記への反響がずいぶん大きく少し驚いていますが、多くの方に共感・応援いただきこちらも気分が軽くなりました。助かります。また、自分の反省になるコメントも頂きました。ありがとうございます。

さて、冷静さを取り戻して来たところで、さらにすこし補足させていただきます。同じように海外引っ越しされる方々の参考になればと思います。

保険について

保険には入っています。保険は中国のものではないので、ある程度はどうにかなるかと思います。しかし、保険用の家財リストは事前にもっとしっかり作成しておくべきでした。忙しさにかまけて大雑把にやったので、*1リストに漏れはあり、そういったものには保険が利かないかもしれません。『盗まれたことを証明する』のは難しいですしね。これは今からの交渉しだいというところもありますが、使わずに住んだ労力を払う羽目になりました。リスト作成によって本当にいるものといらないものを事前に見極める効果もあるかと思います。

輸送方法の優先順位について

船便の盗難リスクについては知識としてはありましたが、ここまでのことになるとは想定していませんでした。手持ち荷物には物理的な制限がありますし空輸便はコストが非常に高いので*2、それを超えた分は船便で送らざるをえません。ぼくの場合、手持ち・空輸便の優先順位づけは、船便到着までの臨時生活に必要か、および価格を主な基準としました。たとえば時計や宝飾品などのもっとも高価なものは手持ちにしました。しかし、あまり使わなくなった(思い出用)一眼レフや(ズームレンズでとりあえずなんとかなる)単焦点レンズ、(iPad miniMacbook airでどうにかなる)iPad/Macbookなどはすぐにはいらないと判断し、船便にまわしました。
この基準は自分の視点(短期的な生活ニーズ+自分の価格感覚)からのみであり、犯罪リスクを少なくするという視点は欠けていました。犯罪者の視点から考えると、盗難のしやすさ=単位体積当たりの価格+換金のしやすさですし、また数万円の品も彼らの月収基準からすれば大きな価値を持つのでしょう。実際、オーディオや空気清浄機などの嵩張る(けれど高い)アイテムは見逃されました。上記のようなアイテムは非常に危険だったのだと思います。こういったものを入れたことで、結果としてことを大きくする誘因となった可能性は否めません。

丁寧な梱包について

丁寧な梱包が狙われる一因となったかどうかはわかりませんが、中国側業者の丁寧な梱包は結果的に大変助かりました。食器類・機械類はかなり乱暴な取り扱いを受けたにもかかわらずほぼ無傷です。前回フィリピンから引っ越したときよりも割れ物は遥かに少ないぐらいです。盗難云々関係なく、荷崩れによる破損のリスクはありますのでしっかりとした梱包は必須だと思います。

通関業務について

今回の事件にあって、妻が知り合いの国際運送業務に知識がある方から昨日教えてもらったのですが、保税区域での通関業務もコネがあれば立会人として運送業者に同席してもらうことはどうやら可能なようです。どうしても船便での輸送が避けられない場合はこういう手もあるのでしょうか。

盗難・紛失リスクについて

中国赴任経験のある複数の人から盗難・紛失の話を聞いたので、中国は比較的こういったリスクが高いのかなと感じています。ただ、これは中国に限った話ではないようです。今回の話を同僚と話をしていたところ、欧米発の海外引っ越しで複数の荷物をロストしたケースもちらほらあるようです。これほどめちゃくちゃなケースというのはレアなようですし、国別の紛失リスク比較などは数字がないのでなんともいえませんが、海外の引っ越しでは盗難・紛失自体は普通のことととらえてその対策をうっておくほうが良さそうです。


どちらにしても、そもそもぼくの捨てられない性分で物持ちなところもひとつの原因というところもあり、断捨離をしてもっと身軽になりたいと思っています。


最後にid:akikan2さんの

ごめん->めんご->めんぼ->麺棒!?

というブクマコメントには夫婦で大爆笑し、かなり気が楽になりました。ありがとうございます。

*1:前回の引っ越しの際のインベントリーリストに多少修正を加えただけ

*2:エージェントから指定されたサイズ制限がありました