柿の種中毒治療日記

Kobe→Manila→Guangzhou & Hong Kong→Seoul→Yokohama

転入者のためのバスツアー

今日は彼女*1と区役所主催の「転入者のためのバスツアー」に参加。僕はここに引っ越してからもうしばらくたつけど、彼女の方はまだ越してきたばかりだしこんな機会でもなければなかなか行かなさそうなところにいけるいいチャンスなので参加申し込みしてみた。抽選の結果、みごと参加できるという連絡があったものの正直そんなに参加者がいるのか不安だったんだけど、行ってみれば参加者40人、応募者はなんと80人超という人気のツアー。*2
ツアーの方は、小磯美術館で世界の植物画展-魚崎の酒蔵で酒造り見学&利き酒-岡本で各自昼食-神戸空港島へという6時間がかりのもの。色んな意味で期待を上回る面白さ。公共投資についてはいろいろ考えさせられる壮大な無駄遣い見学ツアーという皮肉な見方も出来るな。

小磯記念美術館:神戸市の運営する美術館。入場者数が低迷して困っているらしい。同じ六甲アイランド内にあるファッション美術館も運営に四苦八苦しているそうで、市営の美術館をそうポンポンたててしまった人々の見識を疑う。*3 だけど、今回の展覧会は正直面白かった。イギリスのボタニカルアートをテーマにした展覧会で、色とりどりで精密な植物画の数々が並んでいて素直に楽しめた。特に、小磯良平さんの植物画はイギリス流の精緻な絵とは違った魅力にあふれていてついつい絵はがき購入。
浜福鶴吟醸工房:名物案内人の方による酒造りの解説が面白かった。酒の大敵は納豆菌とのこと。僕の大敵も納豆菌だ。利き酒の方も色んな種類のお酒を飲めてほろ酔い。名物案内人の名前を冠した日本酒を購入。こういう地場産業をどんどんもり立てて行こうと言う方向には大賛成。
神戸空港島:神戸空港島を見るためにまずはポートアイランドへ。そこの南のキメックセンターという何とも脱力な名前のついたビルの10Fから空港島を見る。ここから広がる光景は壮大な空き地。*4つづいてバスに乗って工事中の空港島へ。随分前にかなり反対運動があったのは知ってたけど、実際足を運んで色んな話を聞くとますます「どうなん??」って気持ちが高まってくる。
総工費はなんと3140億円!! 企業の投資と公共投資ではきっとファイナンシャルアナリシスの方法とか違うんだろうけど、それでもこんな投資ほんとにペイアウトするのか??旅客需要見込みはgoingで年間403万人、国内路線のみの11路線で発着回数60回/日だそうだけど、関空の今年の国内線でさえ14路線、40便/日。常識的に無理だろ。ていうか、神戸空港計画単独のファイナンシャルはいざ知らず、そもそもこの圏内には関空、伊丹と大規模な空港があるわけだし、新たな需要を生み出すというよりも既存の2空港からの客を取ってくるだけじゃないのか?3空港全体の利益計画考えたらただ無駄に投資しているだけな気がする。部分最適、全体大無駄のいい例になりそうな悪寒が。*5
村上龍が「あの金で何が出来たか」って本を書いてたけど、この金があったら今区民課の人たちが苦労して取り組んでいる幼稚園不足や待機児童の問題なんてまだ簡単に片付くだろうし、本当の意味で地域全体の競争力を永続的に生み出すための投資先なんてなんぼでもあっただろうに。。。

*1:あ、もう奥さんか

*2:ちなみに無料

*3:ファッション美術館なんて一体誰がターゲットなんだ??

*4:空港開港が来年2月、それを見込んでこの土地に色々誘致しているみたいだけど正直どうだろうというところ。横には理研CDBのビルを発見。こんなところにあったのか

*5:大赤字の関空のリバイバルプランにはこのインパクトは織り込み済みなのだろうか??