会社の先輩の息子さんが中学受験を無事終えて、神戸にある某名門私立中学に通い始めた。先輩とは仕事上の絡みはほとんどないのに、以前から物理や数学の話をたまにするという不思議な関係。その子が今度全国物理コンテストの物理チャレンジというのに挑戦したいといっているらしい。物理チャレンジのホームページのリンクを送ってもらって見てみて興奮。すごく面白そう。この先には国際物理オリンピックが待ち受けているんだって。どんな分野でも『世界を目指す』というのは心が震える。
とはいえ物理や数学から縁遠くなってもう10年近く。参加資格は当然ないし、そもそもまったく歯が立ちそうにないのが正直今の自分なんだけれども。
ぼくの中学・高校時代とは見ている世界が全然違う。ぼくは中学校に入って初めて中学数学を始め、高校に入って初めて高校数学を始めというごく普通のカリキュラム通りの勉強しかしてこなかった*1。高三くらいになってようやく物理の問題を微分方程式で解くというやりかたを知って目から鱗だったなあ。
そんな中、センター試験でどれだけの点を取れるのか、大学の二次試験でどれだけ点を取れるのかという狭い世界の中の点取り競争に終始してた。大学に入った後だって、進振りに必要な点を取るために勉強してたようなもんだ。そして10年経ってそのとき学んだことなんてほとんど忘れている。
でも、彼の話を聞いているとそんなのとは次元の違う世界があるんだなあと気づかされる。中学受験を終えるまでの過程でもう中学校で習う程度の数学とかは終わっているんだって。それは別にそうしないと受験に通らないというような理由ではなくって、知的好奇心に突き動かされてどんどん学び、先へ進んでいった結果、学校のカリキュラムをはるかに超えているということらしい。
中学のうちに高校の内容もほとんど終えて、高校に入ったら入ったでさらに先のことにチャレンジしていく。大学に入ったらさらにその先だ。中学受験とかってとかく「受験競争」「受験戦争」とかってくくられて語られがちな気がするけれど、めざすものの次元が違うなあ。こういう風にして早い段階からどんどん好きなことを突き詰めていく。素敵だなあと思う。
家に帰って早速はさみで糸を切っておもりをつけて、今回の実験課題になっている連成振り子を作ってみた。片方を固定してもう片方を動かしてみたときの結果からして想像外。確かものの本で二つの振り子を縦に並べた二連振り子はカオス的な挙動を示すと読んだことがあるけど、これはどうなんだろう。あまりにちゃちな実験セットだからよくわかんない。物理を極めるということはできなかったけど、仕事でもなんでも自信を持ってこれは極めたといえるように頑張りたい。
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*1:せいぜい交通事故を目撃して力積とか運動量はどうなってるんだろうと考えるくらい。それでもエキセントリックだったとは思うけどさ。