柿の種中毒治療日記

Kobe→Manila→Guangzhou & Hong Kong→Seoul→Yokohama

入りを計りて出るを制す?

Agilityという言葉とは無縁だと思っていた官僚組織が意外にもものすごくAgileなことを知って驚いた。しばしば官僚=抵抗勢力という単純な図式を見聞きするから、てっきり変化ということに対して腰が重いのかと思っていたけれどそんなことないみたい。とはいえ必ずしもよい意味だけではなく、『朝令暮改』という側面もあるようだ。組織としての長期的な目標や達成すべきビジョンがあまり共有化されていないのか*1、組織の長が変わるとFocus areaがその人の興味にあわせてがらっと変わる。それにすぐに対応できる官僚組織というのは凄いなと思いつつも、そのために途中でpendingになって無駄金に終わるものもあるようだ。
どういうふうに予算が管理されているのか、さらに予算を消化するためには無駄遣いも辞さないインセンティブがどこから生まれているのかという話もとても面白かった。Public sectorでは売り上げのような明確に測定できるReturnの指標がないからROIを分析するのはとても難しいことだと思うけれど、それでもなんらかのFinancial evaluationの仕組みを導入することでもっと支出を削減できるところは山ほどあるんだろうな。一つ一つの案件に対してそういうevaluationが不可能なのなら、もうトップダウンで総予算を昨年比xx%削減という風にしていくしか術はないような気がするね。そこに対してはやっぱりものすごく強い抵抗があるのだろうけど。
私企業では入りを計りて出るを制すというのは鉄則な訳だけれども、どうやら国家の運営というのは逆らしい。先に使い道ありきで、つぎにそれをまかなうための収入(税金)を考える。面白し。

*1:これはあくまでぼくの推測にすぎないけれど